皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、国家資格を目指す30代男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

◆金銭面で工夫できる余地はありますか?
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、国家資格を目指す30代男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料になります)。
https://sec.allabout.co.jp/post-form/form/22

◇相談者
ウオッチャーさん(仮名)
男性/パート・アルバイト/31歳
東京都/賃貸住宅

◇家族構成
一人暮らし

◇相談内容
現在法律系の国家資格取得を目指して勉強しております。勤めている会社はその資格を冠した事務所であります。労働条件が期間の定めなしで社会保険(健康保険と厚生年金保険)に加入しております。パート労働者ではありますが、入社したときから上記の労働条件で働いております。現在アパートを借りてそこから自転車で15分程度で会社に着き仕事が終わると図書館等で勉強してアパートに戻り、アパートから徒歩15分程度にある両親が住んでいる家(持家でローン等なし)で食事と入浴(生活費としてお金を渡している)を済ませたのち、アパートに戻り就寝をする生活をしております。

昨年の3月から上記のアパートを借りて生活をすることになりましたが、両親が共に60代半ばになりかかり、いつまでも甘えていられないと思っております。資格取得の勉強が最優先ですが、金銭面で工夫できる余地などあればご教示していただけると幸いです。貯金額は5年後に150万から200万円の間を目指したいです。

◇家計収支データ
「ウオッチャー」さんの家計収支データ

◇家計収支データ補足
(1)両親さんについて
父親は契約社員、母親はアルバイト。ともに健康に問題なし。
実家は築50年だが、2階部分を最近改装。月8万~9万円で賃貸しようと考えている。

(2)一人暮らしの理由
相談者が経済的に自立するよう、親が実家にいつまでも住まないよう促したため。2019年までに国家試験に合格しなければ実家での食事も入浴もしないという約束も交わしている。勉強の効率のために部屋を借りているわけではない。

(3)収入について
現在の職場では、資格を取得すると資格手当として5万円が出る(パート勤務は不明)。取得後、相談者が転職した場合、月収は24万~25万円が一般的。

◇FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1:「お金」のことは考えなくていい
アドバイス2:自ら退路を断つことも必要
アドバイス3:保険と貯蓄は切り離そう

◆アドバイス1:「お金」のことは考えなくていい
家計面でのご相談ですが、ご本人も言われているとおり「資格取得の勉強が最優先」ですから、少なくとも資格取得を目指している間は、貯蓄等については考えなくてもいいと思います。幸い、収入もあり、ご実家も近い。生活には困るといったことはないはずです。試験に合格することだけを考え、そのために必要なことをだけをすればいいと思います。

ただし、そういった「打ち込める」状況もずっと続くわけではありません。先に行くほど、経済的にきびしくなってきます。酷な言い方になりますが、退路は断つべきでしょう。親御さんとは「食事や入浴の世話になるのは2019年まで」と約束されているとのこと。それに合わせるかどうかは別としても、受験はリミットを決めて、それでも合格しなければ第二の人生を歩まないと、マネープランにおいて、いろいろな面で資金不足となる可能性が高いからです。

◆アドバイス2 自ら退路を断つことも必要
仮に、資格取得をあきらめたとします。そこでまずすべきは、転職となります。ご実家の世話にならないとなれば、たとえ一人暮しでも、現在の収入ではきびしいでしょう。必要な生活費を割り出していかなくてはなりません。家賃や食費、水道光熱費にどどの程度必要なのか。生活費とは別に貯蓄をする余裕も必要です。だとすれば手取りでどのくらいの収入が必要かが見えてきます。
また、転職する際はできはれば、正社員を目指してほしいと思います。

安定した収入はもちろんですが、厚生年金加入が大きなメリット。国民年金の老齢年金に上乗せした形となり、老後において、金額的に大きなプラスです。現在勤務されている事務所はアルバイトでも加入できるとのことですが、収入面を考慮すればやはり正社員となります。

◆アドバイス3:保険と貯蓄は切り離そう
家計管理は、よくやっていると思います。これだけ貯蓄を増やしたのも立派です。現状で気になる点をあえて言えば、養老保険は不要だったのでは。貯蓄がわりに加入されたと思いますが、予定利率が底に近く、保険商品ですからその分、コストも発生しています。保険に貯蓄性は求めず、貯蓄は貯蓄商品でキッチリ貯めるという考えた方を基本にしてください。

なかなか貯められないという人には、保険で貯めるという方法は確かに有効(おろしにくい、解約が面倒など)ですが、相談者の場合、その点は心配ないかと思います。したがって、「金銭面で工夫」ということで言えば、養老保険を払済保険にして、浮いた保険料を貯蓄に回すのもひとつの方法です。

あと、資格取得をあきらめたとき、心配なのは精神的な部分です。長年勉強されて、急に目標を失うのは辛いもの。それでも切り替えるしかありません。慌てず、時間をかけて取り組んでください。そして何より、今は合格に向けて頑張ってください。

◆相談者「ウオッチャー」さんから寄せられた感想
この度はお忙しいなか、私の相談に回答していただきましてありがとうございます。先生がご指摘された通り、今はお金のことよりも試験合格を最優先すべきことだと改めて感じました。勉強に臨む覚悟が足りていないとご教示していただきました。先生の回答を意識しながら、勉強と仕事に励んでいきたいと思います。ただ、この士業の世界で生き抜いていこうと思っていますので、第二の人生を歩むことは考えておりません。その分、先生が仰る通りに早期に合格することが何よりも大事だと思います。この度は誠にありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん  

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武

文=あるじゃん 編集部