キヤノンは3月29日、デジタルシネマカメラ「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズの新製品として、最上位モデル「EOS C700 FF」を発表した。EFマウントとPLマウントの2モデルを用意。7月中旬より発売する。価格はオープンで、推定市場価格は367万円前後(税別)。

  • デジタルシネマカメラの最上位モデル「EOS C700 FF」

    デジタルシネマカメラの最上位モデル「EOS C700 FF」

EOS C700 FFは、2016年12月に発売された「EOS C700」の後継モデルとなるデジタルシネマカメラ。映像制作現場におけるプロ向けの製品で、新開発の38.1×20.1mmのフルサイズセンサーと、映像処理プラットフォーム「トリプル DIGIC DV 5」を搭載し、オーバーサンプリングによる4K/60p映像を記録できる。有効画素数は最大1,869万画素(5,952×3,140ドット)だ。

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    新開発のフルサイズCMOSセンサー

色域はBT.2020を上回り、15ストップを超える広い階調性や低ノイズ化を実現。フルサイズをトリミングしたスーパー35mm / スーパー16mmといったセンサーモードも備える。AF機構は「デュアルピクセル CMOS AF」で、動画を撮影しやすい滑らかなAF動作と高い追従性を持つ。

映画特有の2.39:1のアスペクト比で撮影できるアナモフィックレンズに対応。70種類以上のEFレンズ・EFシネマレンズと組み合わせることで、多彩な描写を実現する。撮影時に記録範囲の周囲を表示し、最適な画角での撮影をサポートする「サラウンディングエリア映像出力」機能も搭載した(スーパー35mmモードのみ)。

ビデオフォーマットは、XF-AVC、Apple ProResに対応。Codex製レコーダー「CDX-36150」をカメラ本体に装着すれば、最大5.9K/60pのRAW記録も可能だ。幅広い画質調整を行う「Canon Log2」、簡易なカラーグレーディングを行う「Canon Log 3」など、複数のLogガンマを搭載し、映像制作者の意図に応じてLogガンマを選択できる。HDRは放送向けの「Hybrid Log-Gamma」、映画制作/配信向けの「PQ(Perceptual Quantization)」での映像出力に対応する。

対応記録メディアはCF 2.0カード、SDメモリーカードなど。制御用に約103.6万ドットの3型カラー液晶を備える。本体サイズと重量は、EFマウントモデルが約W167×D327×H154mm、3,450g。PLマウントモデルが約W167×D336×H154mm、3,610g。

なお、デジタルシネマカメラ「EOS C700」「EOS C700 GS PL」のユーザーは、今回EOS C700 FFに搭載した新開発のフルサイズセンサーに有償で交換可能。「EOS C700 FF」のマウントも、EFマウントからPLマウントへ有償で交換できる。