ボーイングは3月25日、787-10ドリームライナーをシンガポール航空に初納入した。ノースチャールストン工場(サウスカロライナ州)には約3,000人の従業員ら関係者が集まり、初納入を盛大に祝った。シンガポール航空は5月より、同機をシンガポール=関西線に導入する。

  • 約3,000人の従業員ら関係者が集まり、787-10ドリームライナー初納入を盛大に祝った

    約3,000人の従業員ら関係者が集まり、787-10ドリームライナー初納入を盛大に祝った

787-10は787ドリームライナーファミリーの中でも最長の胴体を備えた最も新しい派生機で、搭乗客をさらに約40人増やし、標準的な2クラス構成の座席数を合計330席にすることを可能にした。こうした座席数の追加によって、787-10は現在就航中のどのワイドボディ機よりも低い、1座席当たり運航コストを実現している。また、787-10は787ドリームライナーのほかのモデルと同様に、強靭かつ軽量な複合材、最先端のシステム、そして乗客に快適さを提供する様々な機能を採用している。

  • シンガポール航空は5月より、787-10をシンガポール=関西線に導入する

    シンガポール航空は5月より、787-10をシンガポール=関西線に導入する

シンガポール航空の子会社であるLCCのスクートがすでに787-8と787-9を運航していることを含め、今回の納入により、シンガポール航空グループは世界で初めてドリームライナーファミリーの全3モデルを運用することになる。シンガポール航空はボーイングのワイドボディ機をさらに68機発注済みで、その内の48機が787-10、残りの20機は最新鋭の777-9となる。

また、アジアは787-10が地域内の全地点を接続できる場所であるため、アジアのオペレーターにヨーロッパやアフリカ、オセアニア各地へ運航する利便性も提供する。シンガポール航空は787-10をシンガポール-関西線とパース(オーストラリア)線で5月から運航を予定している。また、乗務員トレーニングのため、就航に先立ってシンガポール-バンコク線とクアラルンプール線の一部で同機を運航している。

  • シンガポール航空は787-10を48機発注している

    シンガポール航空は787-10を48機発注している

787ドリームライナーは、燃料効率性(1座席当たり)とCO2排出量の面では代替する航空機と比較して20~25%優れている。787ドリームライナーは2011年の運用開始以来、640機以上が全世界の680を超える路線に就航し、2億3,000万人以上の搭乗客を運んできた。その間に節減できた燃料消費量は、推定1,043万tに上る。