ITを駆使して社会問題・課題解決に取り組むALSOK －日経メッセ SECURITY SHOWより

「未来へつながれ　明日の街づくり」と題され3月6日から9日まで東京ビッグサイトで開催された「日経メッセ」。“街づくり”と“店づくり”の総合展として、店舗内オペレーションを円滑にする、商空間や住空間を快適にするといった様々なソリューションが一堂に会していた。今回も誰もが安心して生活できる社会を生み出すことに貢献するソリューションが集められた「SECURITY SHOW」より注目のブースをピックアップしてお届けしよう。

日経メッセ「SECURITY SHOW」会場内ALSOKブースより

今回ピックアップするのは、テレビCFでもお馴染みの総合セキュリティ企業、ALSOK(綜合警備保障)ブースだ。「誰もが安全安心に暮らすことができるバリアフリーな社会の実現」をテーマに、様々な“あったらいいな”なソリューションが同社ブースのそこかしこに展示されていた。

まず興味を惹いたのは、店舗運営決済システムだ。イベント会場では、参考出展ながらもWindowsタブレット端末上で決済が行える様子のほか、防犯に寄与するであろう不測の事態を外部に知らせる機能や24時間365日コールセンターとの連絡が取れる機能、不審者の姿を撮影する機能など、総合セキュリティ企業のALSOKらしい機能がふんだんに詰め込まれておりそのデモンストレーションが行われていた。

この店舗運営決済システム、現時点では参考出展とのことだったが、近い将来一般の店舗等に導入が開始されるとのこと

将来的にバリアフリーの一助として役立ってくれそうな音声認識システム。今後はビッグデータやAIを用いて更なる利便性の向上に繋がるのではと期待させてくれた

同じく参考出展であったが、「きゃー！」や「助けてー！」といった特定のキーワードに反応してアラート表示を行う音声認識システムも興味深かった。デモンストレーションでは、先に述べた特定のキーワードを学習させ、それに一致する言葉が発せられた際に、例えば警察や消防へ連絡する、ALSOKのコールセンターへ連絡するなどが自動で行える様子を見て取ることができた。

もうひとつ、筆者の眼を惹いたのが鳥被害対策ソリューションだ。何故ALSOKが？との想いが沸き上がるものの、解説員によれば鳥や害獣対策についてALSOKには数多く相談が寄せられるのだという。この鳥被害対策ソリューションもそういった声を受けパートナー企業とともに進められているそうで、鳥が嫌がる周波数帯の音を発し続けることで寄せ付けないようにするというものだ。

野鳥による糞害などはたびたび社会問題としてニュースを賑わせることがあるが、そういった問題の解決に繋がるソリューションと言えるだろう

最後にもっとも興味を惹いたソリューションが、専用タグと感知器で異常を知らせてくれるセルフ型セキュリティ「みまもりパック」だ。核家族化に加え高齢化が進み、離れて暮らす高齢者が安全な状態であるか、健やかに暮らせているかを伺い知るためのソリューション、と表現するとピンとくる読者も多いかと思うが、ALSOKでは既にモバイルみまもりセキュリティ「まもるっく」というボタンひとつで緊急通報やGPSによる位置情報検索等が行えるソリューションを提供していた。しかし、実際の現場では要となる端末を持ち歩かないケースも多く課題だったという。

この「みまもりパック」は専用タグが非常に小型なため、普段着用する靴にそっと忍ばせておくことが可能で、ストラップホールも付いているため、鞄や杖といった身の回り品に装着することもできる。感知器で検出できる範囲から専用タグが離れた場合や、室内の温度や湿度が基準値を超えた場合等にアラートあるいは駆け付けサービス（有償）を受けることが可能となる。また、専用のスマートフォン向けアプリ「みまもりタグアプリ（iOS・Android）」との連携によって、例えば専用タグを所持している高齢者が徘徊してしまった際にアプリをインストールした端末とすれ違った際に自動で匿名位置情報を通知、徘徊高齢者の捜索に寄与することも可能となるソリューションなのだ。