3月17日のダイヤ改正に合わせ、JR西日本の近畿エリアに新駅2駅が開業した。おおさか東線では、JR長瀬~新加美間に新駅、衣摺加美北(きずりかみきた)駅が開業。当日は多数の地元利用者や鉄道ファンらが衣摺加美北駅を訪れ、新駅開業を祝った。

  • 衣摺加美北駅の駅舎外観。金属パネルは布、ルーバーは染め型をイメージしているという

衣摺加美北駅はJR長瀬駅から1.3km、新加美駅から1.4kmの距離にあり、大阪府東大阪市と大阪市平野区の市境に位置する。そうした事情もあり、東大阪市の地名「衣摺(きずり)」、大阪市平野区の地名「加美北(かみきた)」を合わせた駅名が決められた。近年では比較的珍しい難読駅の誕生となった。

新駅は8両編成に対応した相対式ホーム2面2線の高架駅になっており、おおさか東線の普通列車が停車する。ホームに降り立つと、ホームとレールがきれいに直線になっており、見晴らしが良い。隣の新加美駅のホームがカーブ状になっていることもあり、衣摺加美北駅の見晴らしの良さがより強く印象に残るかもしれない。

直線の相対式ホームでは、おおさか東線を走る6両編成の201系をきれいに撮影できた。おおさか東線は貨物線である城東貨物線の施設を活用しているため、衣摺加美北駅を通過する貨物列車も撮影できる。

  • 201系の普通列車(久宝寺行)が停車

  • EF66形100番台が牽引する貨物列車が通過

  • 衣摺加美北駅は2面2線の相対式ホーム。

  • ホームや券売機横などに衣摺加美北駅のシンボルカラー、つゆくさ色が用いられている

ところで、衣摺加美北駅の周辺は染色が盛んな地域だったとのことで、駅のシンボルカラーはつゆくさ色になっている。そのため、ホームやコンコースの至る所でつゆくさ色が見られた。コンコースに降りると、屋根が高くゆったりとした設計になっている。駅舎の一部がガラス張りになっているため、自然光が入り、明るい。トイレや精算機の位置も機能的で、利便性が高く気持ちの良い駅に仕上がっているようだった。

改札を出ると、衣摺加美北駅の周辺にあった八尾街道と御本山道の解説を記したパネルがあった。解説によると、駅周辺は中河内の主要道のひとつであった八尾街道、平野本山への参詣道であった御本山道をつなぐところであったという。そのような交通の要所であった場所に衣摺加美北駅が誕生したことになる。駅入口には2019年に予定されているおおさか東線の新大阪駅延伸を記した柱があった。今後、おおさか東線の重要性が高まるにつれ、衣摺加美北駅も発展するだろう。

駅舎の外観においては、駅名板周りのデザインにも注目。金属パネルは布、ルーバーは染め型をイメージしているという。駅名の字体と相まってシックな印象を受けた。

  • コンコースはゆったりとした設計

  • 放出方面の時刻表。日中は15分間隔で普通列車が停車

  • 衣摺加美北駅周辺にあった八尾街道、御本山道を解説したパネル

  • 2019年に予定されているおおさか東線の新大阪延伸を記した柱

衣摺加美北駅の周辺は住宅地と町工場が広がっている。現在も駅前では工事が進められており、今後の発展が期待される。