1月スタートの冬ドラマも、続々と最終回を迎えている。視聴率という点では、終盤さらに数字を伸ばしてる松本潤主演『99.9-刑事専門弁護士- SEASONII』(TBS)や、木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日)、そしてオリンピック期間中も堅調な数字をキープし続けた石原さとみ主演の『アンナチュラル』(TBS)の3本が好調と言えるが、"満足度"という点ではどうだろうか。
データニュース社が運営するテレビの視聴状況調査「テレビウォッチャー」では視聴者の"満足度"を集計。この膨大なデータを日々分析する研究員が、その満足度から最終回に向けて視聴者が盛り上がっているドラマを紹介する。
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1,200+女性1,200=計2,400 ※回収数は毎日変動
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・採点方法:最高点を「5」とし、「3.7」以上を高満足度に基準
初回から満足度が高い2作
冬ドラマで最も満足度が高い(9日放送分まで、12日集計時点)のは、視聴率と同じく『99.9-刑事専門弁護士- SEASONII』で4.03(5段階評価、第7話までの平均、3.7以上が高満足度の基準)。初回も3.97と冬ドラマトップの好スタートを決め、その後も高位置をキープし続けている。
人気シリーズの場合、ファン視聴者が多いため、初回から高い満足度を獲得する傾向にあるが、今作は主軸の事件解決の外側で繰り広げられるファン待望の"小ネタ演出"が健在なのはもちろん、前シリーズから続いていた"主人公の父の事件"の真相が早くも第2話で明かされるという、視聴者をいい意味で裏切るスピード感や、第5話では2001年の実際に起きた冤罪事件「御殿場事件」がモチーフでは?と話題になり、前作以上にリアル感が増すなど、常に新しい話題や工夫を施す巧みな構成が満足度を高めており、前作平均3.95を上回る勢いだ。
そして、同数値でトップに立っているのが『アンナチュラル』(TBS)。今作は初回から満足度が高い傾向の続編ではなく、また原作を持たないオリジナル作品であるにもかかわらず、初回から3.87という高数値でスタートを切った。最高満足度は、真犯人を知った被害者の恋人が主人公らの制止を振り切って犯人へ報復をしてしまうという衝撃的な結末で視聴者を驚かせた第5話(「死の報復」ゲスト:泉澤祐希)4.16。暫定だがこの数値は冬のゴールデン・プライム帯ドラマの単回計算で最高の数値となっている。
16年に大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』の脚本家・野木亜紀子氏が手掛けた作品とあって、視聴者の感想を見ても「脚本が良くできている。展開が面白い」(56歳女性)、「セリフ一言一言に説得力がある」(47歳男性)、「殺人の手口にも意外性があるし、脚本家には最大の賛辞を贈りたい」(58歳男性)など"脚本"への称賛も多く、それが視聴者の高い満足度につながっている。