大成ロテックと富士通アドバンストエンジニアリングは3月14日、製造業における原材料在庫管理の適正化に向けて、大成ロテックの国内アスファルト合材工場(首都圏の5工場)において、スマートフォンやデジタルビデオカメラで撮影した画像データを3Dモデリング化し体積量を算出する実証実験を、3月6日から4月28日までの予定で開始したと発表した。

  • 実証実験のイメージ

従来、ストックヤードに山積みしている原材料の在庫量計測は人力で行っており、時間と手間を要し、在庫管理の頻繁な実施は困難だったという。

また、目視による測量では誤差やばらつきが生じ正確な測定ができないため、棚卸時には帳簿在庫との乖離が生じるといった課題が発生していた。

これらの課題への取組みとして、作業者の負荷を軽減し高精度な在庫量把握が可能な仕組みや、原材料の調達から生産計画の立案まで一貫した管理が求められており、その対策として基礎データとなる原材料の在庫量計測のデジタル化技術の有効性を検証する実証実験を開始したという。

同実験では、取り扱う原材料の保管場所や種類や材質、その形状が異なる複数の工場で、天候や時刻といった日照条件などを考慮した多様なパターンを撮影・検証し、測定に影響を与える要因の洗い出しを行うと共に、計測データを定常運用の測定結果と比較し、その測定精度や操作性などの実用性を検証する。

なお、同実験にはアイヴィスが画像処理及び3Dモデリング技術支援として参画している。

今後の展開としては、大成ロテックは同実験を通じ、製造工場における原材料在庫適正化に加えて、建設現場における原材料調達先との発注数量や在庫管理の適正化、産業廃棄物の保管管理などにも応用していくことで、業界全体へのIT化促進による働き方改革をリーディングしていくという。

富士通アドバンストエンジニアリングは、同実験で体積計測に必要な手法を技術検証し、多様な業界にも導入可能となるサービス化の早期実現を目指していくとのこと。 また、全国に販売チャネルを持つという富士通マーケティングとの連携により、ICTを利用した製造現場の働き方改革を実現し、ユーザー企業や建設業界のさらなる成長に貢献していくとしている。