東芝デジタルソリューションズは、東芝IoTアーキテクチャー「SPINEX(スパインエックス)」の特長のひとつであるエッジコンピューティングのさらなる強化に向けて、長期信頼性と耐環境性を高めた社会インフラ・産業分野向け「IoTゲートウェイ装置」を開発し、販売を開始した。

  • IoTゲートウェイ装置商品外観

    IoTゲートウェイ装置商品外観

同製品は、エッジ(現場)でのリアルタイム性を高める処理性能と、長期間の利用に耐える信頼性、製造現場などにも設置できる耐環境性を併せ持つIoTゲートウェイ装置。社会インフラ機器・産業機器は、通常10~20年の長期間にわたり稼動し、また、設置される環境も様々となっており、これらの機器をネットワークに繋ぎ監視・制御する際のニーズに対応したということだ。

同製品は、新世代のIntel Atomプロセッサ E3900シリーズを採用し、エッジコンピューティングに必要な処理性能を提供する。東芝IoTアーキテクチャー「SPINEX」に基づく東芝製のエッジソフトウェアと組合せることにより、IoTゲートウェイ装置上で監視制御対象機器の故障予兆を検出するなど、より高度なエッジ処理が実行可能となっている。また、電解コンデンサーや冷却用ファンなどの短寿命部品の排除、長寿命部品の採用などにより長期信頼性を確保しており、ヒートシンク構造筐体による放熱対策や、CPU周辺への補強板金配置による衝撃対策などにより耐環境設計も実現している。さらに、熱応力シミュレーションによる解析や、TCT(Thermal Cycle Test)、HALT(Highly Accelerated Life Test)などの信頼性試験を実施し、これら設計の有効性を確認しているという。

そのほか、IoTゲートウェイ装置内部への直接アクセスにより、装置を不正解析・改ざんされるような脅威から装置を防御する耐タンパ性設計を実施している。不要な外部インターフェースを使用禁止にできる機能、ストレージデータに対する不正参照や改ざんを防止するOSセキュアブート機能、CPUやメモリなどの主要部品の電気信号を直接観測させない基板配線の内層化などを実装しているということだ。