RPA(Robotic Process Automation)製品などを提供するKofax Japanは3月12日、米Kofax ソフトウェア&ソリューション・セールス アジア太平洋地域・日本担当 上級副社長のErrol Mascarenhas氏とKofax Japan セールスディレクターの河上勝氏出席のもと、都内で事業説明会を開催した

エンタープライズを重視した事業展開

同社は主力製品としてRPA製品「Kofax Kapow」や統合型デジタルトランスフォーメーションプラットフォームである「Kofax TotalAgility(KTA)」などを提供している。

  • Kofax Japan セールスディレクターの河上勝氏

    Kofax Japan セールスディレクターの河上勝氏

Kofax Kapowの特徴について河上氏は「シンプルな統合開発環境、全アプリとデータソースにアクセスが可能、最短30分でロボットの開発が可能なアジャイル対応、サーバタイプによるエンタープライズ対応、BIダッシュボード対応していることだ」と説明。

  • 「Kofax Kapow」の特徴

    「Kofax Kapow」の特徴

製品戦略としては、セキュリティ、コンプライアンス、耐障害性の強化に加え、大規模仮想クライアントのマネジメント機能を強化しており、ロボットは同社のマシンラーニング機能の搭載、AIとNLP(Natural Language Processing:自然言語処理)に対応し、チャットボットなどと連携が可能。また、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどクラウド対応している。

  • 製品戦略の概要

    製品戦略の概要

一方、KTAは銀行の新規顧客のオンボーディングなど、業務プロセス全体で重要な顧客接点をデジタル化するという。

同プラットフォームのスキームとしては、まず情報をキャプチャし、ドキュメントをデジタル化した上でデータを抽出。その後、プロセスの自動化やケース管理を行い、ユーザーとの「First Mile」(ユーザーと企業の最初の接点)を支援し、デジタルなエンゲージメントを可能にする。

適応範囲については、同社ではエンタープライズ向けを重視しているため、デスクトップ型のレポート作成やマクロ自動実行ではなく、Kapow単体の場合はシステム連携やクローリング、同製品とKTAを組み合わせた場合は企業間連携、FinTech、サプライチェーン、IoT、融資業務、審査・査定業務、部品表連携、ERP業務などを想定している。

  • 適用範囲の概要

    適用範囲の概要

営業戦略とパートナー強化

また、営業戦略では三菱東京UFJ銀行や三井生命、広島銀行、アコムなど金融機関向け基幹系ロボット、SAPやOracleのERPと連携したロボット、AWSやAzure上でのBPOロボットに取り組む。

  • 営業戦略の概要

    営業戦略の概要

これらの営業戦略に伴い、パートナーの強化も進めており、メインパートナーである富士通と富士ソフトの2社を軸に据える。特に富士通は全社的な取り扱いを決定しており、同社の営業リソースとグローバルサポートを活用し、基盤共同サービス、営業店システムなど金融向けソリューションや、AI製品「Zinrai」と組み合わせた次世代ソリューションを提供していく方針だ。

  • 富士通との連携強化の概要

    富士通との連携強化の概要

さらに同氏は、三菱東京UFJ銀行の導入事例について触れた。同社は、グローバルなRPAのプロジェクトで採用しており、三菱UFJフィナンシャルグループの米ユニオン・バンクやベトナムのアユタヤ銀行に導入されている。

2014年夏にPoCで住宅ローンにおける団体信用命保険業務に適応、2015年11月にシンガポールにおいてパイロットで20業務で効果検証、2017年に国内主要300の基幹系業務に適用し、Kofaxとライセンス包括契約を締結している。

今後は国内で700、海外1000業務の開発に着手し、海外開発ベンダーの育成とアジア地域のオペレーションの見直しを行うという。同氏は「通常のRPAでの自動化範囲は各種アプリケーションとロボットの実行のみだが、Kapowによるロボット実行とKofax TotalAgilityのドキュメントプロセスとオーケストレーションにより大きな効果が得られる」と、胸を張る。

  • 三菱東京UFJの事例の概要
  • 三菱東京UFJの事例の概要
  • 三菱東京UFJの事例の概要

日本市場ではRPAが特に重要

Mascarenhas氏は、企業が直面しているビジネス上の課題として「顧客の獲得・維持・拡大と、バックオフィスなどの業務効率化、コスト効率の改善が大きなものだ」と指摘。

  • 米Kofax ソフトウェア&ソリューション・セールス アジア太平洋地域・日本担当 上級副社長のErrol Mascarenhas氏

    米Kofax ソフトウェア&ソリューション・セールス アジア太平洋地域・日本担当 上級副社長のErrol Mascarenhas氏

そして、ユーザー側の過去数年間での大きな変化としてモバイルとSNSの利用を挙げており、これにより企業などと、どのようにインタラクションするのかということも大きく変わってきている。しかし、銀行や保険会社などは従来からのレガシーシステムを保有し、レガシーシステムだけでは新しい世代のユーザーとのインタラクションが難しくなっているという。

同氏は「例えば、銀行口座の開設、融資の申請、クレジットカードの申請、入学手続きなどは紙を伴う手続きが必要なことから、書類に署名しなければならない。一方で、スマートフォントとスマートデバイスの登場により、この状況が変化した。ユーザーは24時間365日常時の可用性を求めており、いつでもどこでもビジネスをやり取りしたいと考えているほか、紙ではなく、デジタルでやり取りを行うことを欲している」との認識を示す。

このような状況を踏まえ「われわれの業界のトレンドは、デジタル化した世界において、いかにしてユーザーとのエンゲージメントを進めてビジネスを拡大し、そのためにバックオフィスなどの事務処理の効率化やカスタマージャーニーを最適化することで企業とのやり取りを容易とすることだ」と、同氏は語る。

同社では、First Mileにおけるユーザーエクスペリエンス(UX)の向上に焦点を当てると同時に、バックオフィスの事務作業を効率化することで顧客満足度を高めることを目標としている。企業が有するSystems of Record(SoR、例えば銀行や保険会社の基幹系システムやERP、CRMなど)に対し、ユーザーはSystem of Engagement(SoE、例えばモバイルやWeb、ソーシャル対応など)を求めている。

そこで、同社はSoRとSoEのギャップを埋めるプロセス自動化ソリューションとして「カスタマー・オンボーディング」「RPA」「金融プロセス自動化」「情報キャプチャ」の4つを提供している。

カスタマー・オンボーディングは資産管理や保険分野、小売銀行業務、融資申請、行政による市民向けサービスの提供などのプロセスをデジタル化する。RPAは顧客向けデューデリジェンス(投資を行う際に対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)、株式調査、Webデータ抽出をはじめ手入力による作業、単純な繰り返しの作業を軽減し、日本の市場では特に重要なものだという。

金融プロセスの自動化は請求書手続きや買掛金の処理、金融関連業務の手入力作業といった金融プロセスにおける全工程を自動化。情報キャプチャはメールルームの自動化、保険請求手続きなど領収書、データ入力、プロセシング、ドキュメント発行を自動化する。

  • 4つのソリューションの概要

    4つのソリューションの概要

同社は、これらのソリューション、プラットフォームを日本市場において保険会社、銀行、公共政府機関、製造業、BPO(Business Process Outsourcing)プロバイダに提供していく方針だ。

  • 企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するという

    企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するという