タカラバイオは3月12日、脳やがんのような多くの細胞種から成る複雑な組織やiPS細胞から作製される再生医療用の細胞などの解析を詳細に行うことを可能にするシングルセル解析システム「SMARTer ICELL8 cx」の販売を開始したことを発表した。

同製品は、独自のSmartChip テクノロジーにより、シングルセル(1細胞)への分離を大量かつ迅速・効率的に実現。画像処理により生きた細胞を選択的に取得することを可能としたため類似のシステムと比較して、幅広い細胞サイズ・細胞種に利用可能で、目的外の細胞の混入による解析のバックグランドを低減することができるようになるという。

また、従来型のICELL8システムで、2種のモジュールに分かれていた、マルチサンプルナノディスペンサー(細胞分離)とイメージングステーション(画像処理)を一体化したことによる小型化も実現。これにより、シングルセルの取得から次世代シーケンサによる遺伝子解析まで、一連の解析を円滑に進めることが可能になったとする。

なお、同社は現在、シングルセルや超微量核酸を対象とした遺伝子解析分野の開発・事業化に注力しているとのことで、同システムに関連する売上高として3年後の2021年3月期に20億円を目指すとしている。

  • タカラバイオのシングルセル解析システム「SMARTer ICELL8 cx」

    シングルセル解析システム「SMARTer ICELL8 cx」の外観