シーメンスは、チーム・ペンスキーと数年にわたる新たなテクニカル・パートナーシップ契約を締結したと発表した。今後同社は、高度なデジタル設計とシミュレーションを可能にする多様なソフトウェア製品を提供し、同チームのレース成績の向上をサポートする。

チーム・ペンスキーは、オープンホイールのストックカーとスポーツカーのレーシング競技において、これまで主要レースへの参戦回数470回以上、ポール・ポジション獲得回数540回以上、優勝回数32回の好戦績を収めているモータースポーツチーム。今回のパートナーシップ契約締結により、チーム・ペンスキーのレース・チームは、CADからエンジニアリング、シミュレーション、マシニングに至るすべてのプラットフォームでシーメンスのソフトウェアを活用していくことになる。

具体的には、シーメンスPLMソフトウェアとともにデジタル・モデリングとシミュレーションのための統合バーチャル環境の構築が行われる。シーメンスのPLMツールは膨大なデータを適切に維持管理することができ、チーム内の誰もがデータをレビューできるようにするだけでなく、デジタル・ツインを使用してさまざまな設計コンセプトを迅速に検討できるため、時間の限られた厳しい環境下でも最も適切と思われる案への到達を加速させるという。

また、シーメンスのPLMツールを活用し、大量に送られてくる走行性能に関する電子データを素早く分析し、デジタル・ツインに変更のフィードバックを行うことで、低コストで再現性の高いシミュレーションが可能となる。シミュレーションを素早く行うことにより、物理的な製造プロセス、品質保証、実車への据え付けへと素早く移行することができ、リアルな環境でパフォーマンスを再検証することが可能になるという。そのほか、デジタル・ツインは、エンジン構成のシミュレーションや部品開発だけでなく、リアルタイムのレース結果予想にも使用されるという。

なお、今回のパートナーシップ契約には、シーメンスが、モンスターエナジーNASCARカップシリーズ、NASCARエクスフィニティ・シリーズ、ベライゾン・インディカー・シリーズ、ヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・チャンピオンシップ・シリーズに参戦するチーム・ペンスキー・カーのアソシエート・スポンサーになることも含まれており、NASCARに参戦するチーム・ペンスキーのすべてのインディカーと、ドライバーとチームのユニフォームにシーメンスのブランドステッカーが貼られることになるということだ。