The Qt Companyは、デジタルコックピットのHMI開発向け最新のフレームワーク「Qt Automotive Suite 2.0」を発表した。

  • Qt Automotive Suite 2.0

    Qt Automotive Suite 2.0

Qt Automotive Suite 2.0は、デジタルコックピットのHMI開発のための最新のフレームワークで、同じ開発環境上で、UXデザイナーとソフトウェア開発者が協力して作業を進めることが可能。BOM(部品管理)と市場投入期間の両面において、より効率的に車のインテリアを構築するのに必要なさまざまなコンポーネントを提供する。また、Qtは複数の機能安全レベルや仮想化に対応しており、ハイスペックなCPUがひとつあるような環境で、複数の画面や共通の機能を実現する際に最適なソリューションとなる。

Qt Automotive Suiteは、インストルメントクラスタやインフォテイメントシステム、リアシートディスプレイなどの別々のコンポーネントを、まとめて同時に動かすことのできるワンボックスソリューションとなっており、開発コストやオーバーヘッドの削減につながるとしている。

Qtベースのセーフティクリティカルなシステムでは、「Qt Safe Renderer」を使用することで、警告灯などの表示の安全規格 ISO26262のASIL Bに対応する。

「Qt 3D Studio」を使用すると、高品質の2Dおよび3D UIのプロトタイプを迅速に実現できる。同ツールでは、MayaやPhotoshop、MODO、Blenderなどのデザインツールで作成したモデルをインポートし、あらかじめ用意されたマテリアルやエフェクトを適用できる。

イントロスペクションツールである「GammaRay」は、アプリケーションの動作を高レベルで視覚化する非常に便利なツールで、特にシーングラフやモデル/ビュー、ステートマシンなど、複雑なフレームワークを利用する際に威力を発揮する。

「Application Manager」は、Qt Wayland Compositorの上に構築され、IVIのHMI開発に最新のマルチプロセスアーキテクチャをもたらす。HMIを複数の機能単位にわけることで、複数のチームによる並行開発やテストが可能となり、プロジェクトのリスクを抑制し開発期間を短縮できる。また、全体のUIを複数の小さなアプリケーションに分割することにより、その単位でのアップデートが可能となるため、システムのアップデートのシンプルな実現につながるとしている。