NECは、スーパーやコンビニなどの小売店で、セルフレジでの決済時に必要な商品読み取りを効率化する技術として、小売商品を画像認識する多種物体認識技術を開発したと発表した。

この技術により、バーコードやRFIDを一つ一つ読み込ませなくても、レジ台に商品を置くだけの操作で、商品を一括して認識できるという。

新技術は、ディープラーニング技術と特徴点マッチング技術を融合、商品ごとに、ディープラーニング技術と特徴マッチング技術のそれぞれを適用したときの認識精度を推定し、認識精度が最大化されるように各技術を適用する配分を調整するという。

青果物などの生鮮品のように個体ごとに外観の違いが大きい自然物に対しては、個体ごとの違いを吸収して判別できるディープラーニング技術が適用され、飲料・菓子・カップ麺・雑貨などのパッケージ品のように酷似したデザインが大量にある工業製品に対しては、デザイン配置の違いを詳細に判別できる特徴点マッチング技術が適用される。

弁当・デリカなどの日配品のように自然物(具材)と工業製品(商品ラベル)の特性を併せ持つ商品に対しては、両方の技術が適用される。

また、多数の商品が雑然と混在した複雑環境での商品の認識を行うために、個々の商品単体を撮影するだけで、多数の商品が雑然と混在した複雑環境の画像を大量に自動生成。これにより、少ない撮影画像データからでも、多数の商品が雑然と混在した複雑環境下での商品の認識精度の向上を実現したという。

  • 多数の商品を雑然と置いた環境でも認識

NECグループでは、この本技術を用いた画像認識POSレジのデモシステムを、2018年3月6日(火)から9日(金)まで、東京ビッグサイトにて開催される「リテールテックJAPAN2018」に出展する予定。また、3月からNEC社内の小売店舗にて、本技術を用いた決済業務の無人化の実証実験を行う予定。