HomePodはスマートスピーカーとしての側面をさほどアピールしないものの、我が家にあるAmazon Echo、Google Homeと比べると、話声を聞き取ってくれる確率は格段に高く、またPhillips Hueで電球の操作を声で行う場合も、指示を喋ってから実際に電球の明るさが変わるまでの時間が短い。

音声の聞き取りに関しては、マイクの良さが効いていると予測できるが、スマートホームデバイスの操作のスピードの速さについては、A8プロセッサのおかげなのか、HomeKitのおかげなのかは1週間の使用では分らなかった。

HomePodは、6つ搭載しているマイクを使って音のフィードバックを測り、自動的に最適な音質にチューニングする仕組みを備えている。またウーハーの補正にも1つマイクが用意されていることから、A8プロセッサが音楽再生にフォーカスして最適化が図られていると予想される。

ちなみに、A8にはモーションコプロセッサM8が内蔵されていたのを覚えているだろうか。HomePodにもモーションセンサーが内蔵されているため、そのモーションセンサーがHomePodの移動を検出すると、その都度、置かれた場所と音の響き方を検出し、補正し直すのだ。

HomePodを設置する場所については、それによって音楽体験が大きく変わりそうだ。ガイドラインとしては、HomePodを絨毯ではなく固い平らな面に設置し、壁や周囲のモノから15cm離すと良いとのことであるが、、筆者がリビングのいろいろな場所で試してみたところ、もう少し加える条件がありそうだ。

筆者がHomePodをApple Storeの店内で見つけたとき、さほど音質に感心しなかった。ガランとしたApple Storeの中央付近のテーブルにHomePodが設置されており、いまいち音の良さを実感できなかったからだ。

同じ事が、リビングルームの部屋の中央に置いたときにも感じられた。一方、壁際に設置した際には、音の拡がりを感じ、包み込まれるような感覚を覚えた。つまり、7方向を向いているツイーターが壁の反射を利用できる方が、音場補正効果を体験しやすいのではないか、ということだ。

HomePodには、オーディオ機器によくある音響効果をかけた再生機能などはない。たとえばエコーを極力抑えた「スタジオ」や、広々とした「ホール」の音響、「ライブ」の抜け感などを再現する機能はないのだ。そこは、少し楽しめる機能があっても良かったのに、とは思う。