最近のニュースで米国の利上げについての話がよく取り上げられると思います。そこで今回は利上げについて株価や為替への影響をわかりやすく解説してみたいと思います。

◆利上げと何か?加熱した景気を冷まし、過度のインフレやバブルを防ぐ
最近のニュースでは米国の利上げについての話がよく取り上げられます。そこで今回は利上げについて株価や為替への影響をわかりやすく解説してみたいと思います。まず、そもそも利上げとは何かと言うことですが、中央銀行が政策金利を引きあげることを指します。一般的に中央銀行は景気が過熱してきた時には金利を引きあげる等の引き締め気味の金融政策をとります。

利上げが実施されると市場金利が上昇します。市場金利が上昇すると企業や個人の金利負担が増えるので(たとえば、お金を借りるときにより高い金利で無ければ借りられなくなる)、景気にブレーキがかかり、加熱した景気を冷ますことができ、過度のインフレやバブルを防ぐことが出来ます。これが中央銀行のメリットです。

金融危機後、世界の中でもいち早く大規模な量的金融緩和を行った米国は経済の調子が非常に良い状態です。このため、景気を適度にコントロールするために緩やかに利上げが行われています。直近では2017年12月12日~13日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%引き上げ、1.25%~1.50%とすることが決定されました。さらに2018年は0.25%の利上げが年に3回程度実施されることが予想されています。一方、日本はまだ大規模量的金融緩和を続けている段階でマイナス金利が導入されており、利上げを行うようになるまでにはかなりの時間がかかりそうです。

◆米国の利上げが行われた場合、株と為替にはどのような影響があるのか?
さて、利上げが行われた場合の株式市場と為替への影響ですが、一般的に利上げが行われることは株式市場にとってマイナスです。金利の上昇は企業業績や景気へ悪影響を与えますし、株式市場とライバル関係にある債券市場の魅力が増すからです。

ただし、政策金利を引きあげたからといって株価が必ず下がるかというと、そんなことはありません。好景気の中では企業業績が良くなる中で緩やかに金利が引きあげられ、株価や物価などが共に上昇していく時期があります。主に業績相場と言われる時期です。しかし、その時期を通り過ぎて過度に金利が引きあげられると、景気や企業業績に悪影響が出てきます。そうなると株価は下がってしまうのですが、このタイミングを逆金融相場と言います。2018年2月時点が業績相場の最中なのか、それとも既に逆金融相場に入りつつあるところなのかは意見が分かれているところです。

一方、為替に与える影響はどうかというと、お金は水の流れとは逆で、金利が低い方から高い方に流れます。米国の金利が上昇するということは米ドルの魅力が増しますのでドル高につながりやすくなります。しかし、2017年は米国が利上げをしているにも関わらずドル安が続きました。これは何故かというと、欧州や日本の大規模量的金融緩和の縮小(テーパリング)が進むと予想されたため、相対的に見て、そちらのインパクトが強いとみられたためです。

このように金利が引きあげられたからといって一概に株が下がったり、ドル高になったりするわけではありません。その他の国の金融政策の動向やタイミング的な問題、また投資家の傾きなども影響してくるためです。

文=戸松 信博