市場動向調査会社である米Gartnerが発表した2017年の世界電子機器メーカーにおける半導体需要ランキングによると、2017年に電子機器メーカーで消費された半導体の金額はは、前年比22.2%増の4197億2000万ドルであり、もっとも半導体を消費した企業はSamsung Electronicsで、前年比37.2%増の431億800万ドルと市場全体の1割ほどを1社のみで消費したこととなる。

2位はAppleで同27.5%増の387億5400万ドルで、Samsungと併せた消費量は全体のほぼ2割におよぶ。3位には同15.9%増の157億200万ドルでDell、4位には同9.6&増の145億7100万ドルでLenovoとPCメーカーが、そして5位には中国のトップスマートフォンメーカーであるHuaweiが同32.1%増の142億5900万ドルでそれぞれランクインした。 トップ10のうち8社は順位の変動はあるが、2016年もトップ10入りしていた企業で、新たにランクインしたのが9位に入ったLG Electronics、そして10位に入ったWestern Digitalとなる。また、トップ10社中もっとも高い成長率を見せたのは、中国BBK Electronicsで、成長率は同88.8%で、前年6位だったHPを抜き、前年7位から6位にランクアップした。

  • 世界の電子機器メーカー上位10社の2017年半導体需要

    世界の電子機器メーカー上位10社の2017年半導体需要(速報値、デザインTAMベース)(単位:百万ドル) (出所:ガートナーWebサイト)

このランキングについて、Gartenrのリサーチ主席アナリストである山地正恒氏は、「SamsungとAppleはそれぞれ1位と2位の地位を維持しているだけでなく、2017年を通して半導体消費におけるシェアを伸ばした。両社とも2011年以降トップ1、2の座を守っているとともに、半導体業界全体における技術と価格のトレンドに影響を与え続けている」と述べている。

また、ランキング上位10社の半導体消費量が全体に占める割合は増加傾向が続いており、10年前は全体の31%程度であったが、2017年はこれが40%にまで到達。この傾向は今後も続くと見られ、2021年までにそのシェアは45%以上にまで高まる可能性があるとしている。

これについて山地氏は、半導体購入における上位10社の存在感が強まっていくことから、半導体ベンダ各社のマーケティング責任者は、自社の上位顧客層に一層集中していく必要が生じてくることから、各顧客に対するリソースの分配を上手く行う必要がでてくると分析している。

なお、2017年は年間を通じて、DRAMおよびNANDの値上がりがこのランキングに影響を及ぼしたとしており、多くの電子機器メーカーが供給不足のあおりを受けた一方、内製半導体を使うことで、製品の差別化をはかり、成功を収めた電子機器メーカーもあるとしており、今後、電子機器メーカーが内製半導体の採用比率を増加させるようなことになれば、半導体ベンダの将来の成長にとってのリスク要因になる可能性があると同社では見解を示している。