チューリッヒ生命がガン、3大疾病に向けては新たな商品投入

チューリッヒ生命は14日、2017年度 第3四半期の業績を発表。保有契約件数などが堅調に伸びていると説明した。登壇した太田健自代表(写真)が、詳細を説明している

チューリッヒ生命は14日、2017年度 第3四半期の業績および、ガンと3大疾病に備える保険の新商品を発表した。新商品は、同社の主力商品であるガン保障をさらにバージョンアップしたものだという。

お客様の頼れる存在に

発表会では、日本における代表者兼最高経営責任者である太田健自氏が、チューリッヒ生命の日本支店における2017年度 第3四半期の業績を紹介した。新契約件数は157,148件で、対前年同期比108.1%。新契約年換算保険料は同111.2%となり、2012年からの5年間で約19倍にまで拡大している。保有契約件数も同32%増で、この5年間で約4倍の高水準を記録した。

  • 新契約件数は157,148件、新契約年換算保険料は6,105百万円、保有契約件数は740,819件、保有契約年換算保険料は29,569百万円だった

太田代表によれば、チューリッヒ生命では高品質なサービスを実現するために「私たちは常に、お客様を第一に考え、頼れる存在でいます」を第一条とする、全5箇条からなる「Z.Q.」(Zurich Quality)を定めているという。

  • 高品質なサービスを実現するため、同社では「Z.Q.」を定めている

  • チューリッヒ生命の2017年(1-12月)主要業績

また、顧客満足度調査も毎年実施。それを新商品の開発につなげることで、競合する大手保険会社との差別化にも役立てているという。太田代表は「お客様のライフスタイルにあわせて、商品をフレキシブルに展開できるのがチューリッヒ生命の強み。必要な保険を、必要なだけ提供できる。今後も、他社が用意していない保険を開発していきたい」と意欲的に話していた。

ガン保障がバージョンアップ

続いて、チューリッヒ生命 チーフ・マーケティング・プロポジション・オフィサーの野口俊哉氏が保険の新商品を紹介した。

新商品は、同社の主力商品であるガン保障をさらにバージョンアップした「終身ガン治療保険プレミアムDX」と「3大疾病保険プレミアムDX」で、4月2日より販売を開始する。

終身ガン治療保険プレミアムDXの最大の特徴は、欧米で承認された日本で未承認の抗がん剤を補償範囲に追加したこと。野口氏は「これにより、お客様のガン治療における経済的な負担を和らげ、またガン治療方法の選択肢の幅を広げられたら」と強調する。

  • チューリッヒ生命 チーフ・マーケティング・プロポジション・オフィサーで日本アクチュアリー会正会員の野口俊哉氏が新商品について説明した

自由診療の抗がん剤を使用する場合、検査費用、入院にかかる費用などが原則として全額負担になってしまう。このため終身ガン治療保険プレミアムDXでは、そのようなケースで(公的医療保険適用の抗がん剤の)基準給付金の2倍を支払う。また、ガンによる長期入院時の差額ベッド代金に対する保障も新設した。具体的には、1日あたり1万円の”ガン長期入院時差額ベッド給付金”が支払われるという。

  • 「終身ガン治療保険プレミアムDX」では、抗がん剤の基準給付金の2倍を支払い、1日あたり1万円のガン長期入院時差額ベッド給付金も支払われる

もう一方の3大疾病保険プレミアムDXは、保障範囲を3大疾病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中)に拡大した商品。従来の商品と比較して、給付金の種類が大幅に増えているという。なお現行の「終身ガン治療保険プレミアム」と「3大疾病保険プレミアム」は、「終身ガン治療保険プレミアムDX」と「3大疾病保険プレミアムDX」の発売をもって販売終了となる見込みだ。

  • 従来の商品より給付金の種類を大幅に増やした「3大疾病保険プレミアムDX」

新商品の目指す方向性は?

質疑応答では、記者団の質問に太田氏、野口氏が回答していった。

新商品の目指す方向性について聞かれると、野口氏は「当社の商品は今、選んでくださったお客様に"とんがっているね、イノベーティブな商品だね"と言ってもらえている。これからも面白い、イチバン良い、と言ってもらえる商品を開発していきたい」と回答。営業規模が違うため、売上高では同業の大手保険会社には及ばないが、「いま弊社が取り扱っているガン保険以上に売りたい」(野口氏)というスタンスのようだ。

また新商品で保険の対象範囲を広げた経緯について、野口氏は「お客様の選択肢を広げたかった。日本では混合診療が認められていないので、公的保険対象外のものを含めると、全額自己負担になってしまう。そこで、将来的には日本でも承認されるであろうものを、先取りして評価対象に含めることにした。欧米とはタイムラグがある。それを前倒しにした形。この保険で、患者さんの経済的な保障をしていきたい」と説明した。