ウンチは体調によって固いものから下痢気味のもの、色や太さまでさまざまです。健康状態をあらわすバロメーターとなるウンチをチェックしましょう。

◆毎朝の便の状態は? 習慣化したい毎日のウンチチェック
飲み過ぎ・食べ過ぎでポッコリ出たお腹を見て、体重やメタボを心配する人は多いかもしれません。しかし、食べた分だけ排泄される毎日のウンチにも気をつける必要があります。毎日の健康チェックはウンチから始まるといっても過言ではありません。じっくり自分のウンチを見るのは臭くてつらいかもしれませんが、あまり気にしていなかったという人は、ぜひウンチチェックを始めてみてください。

ひとくちに正常なウンチといっても、年齢、食べた物などの生活環境によりさまざま。個人差があるためあくまでも目安ですが、排便回数は1日1回で、時間帯はできれば朝、色は濃すぎない茶色で、形が崩れない程度のやわらかさ、ある程度太く長いウンチが理想のウンチといえます。ウンチは健康のバロメーター。色や固さ、太さによっては重大な病気の危険信号を発している可能性もあるので、ぜひ見過ごさないようにしたいものです。

◆白色・深緑色・真っ黒のウンチはすぐに病院受診し検査を!
食物は胃でほとんどが消化され、長い腸の旅を経て“ウンチ”になります 正常なウンチの色は黄色がかった茶色。この色は肝臓から作り出される胆汁の色で、胆汁は脂肪の消化酵素と混じって大腸に流れていきます。もし胆汁が管に詰まったりしてうまく流れないと、正常な茶色のウンチが出なくなります。また、ウンチの色の違いで、体の臓器のトラブルがわかります。

■白色や深緑色のウンチから考えられる病気
もし、白色や深い緑色のウンチが出たら驚いてしまうと思いますが、この場合、胆管に胆石が詰まっていたり、すい臓がんや肝臓がんの可能性もあるので、すぐに病院を受診し、検査を必要です。

■真っ黒なタール状のウンチから考えられる病気
真っ黒なコールタール状のウンチが出たら、胃からの出血を考えましょう。この黒色は血液中の鉄分が酸化した色で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどが疑われます。

■赤いウンチ、鮮血の混じったウンチから考えられる病気
ウンチそのものに血が混じった状態、いわゆる血便が出たら、大腸トラブルの可能性が大です。さらに、明るい鮮血になると直腸がんのおそれもあるので要注意です。いずれの場合も、すぐに検査を受けましょう。

◆たまには下痢をするのが健康的という説も……
長い大腸の旅の始まりです。大腸では水分を吸収して不要なカスを肛門まで運びます ウンチの固さはどのように決まるのでしょうか。食べ物は胃酸によって溶かされ、不要なカスが十二指腸で消化酵素(水分)と合流し大腸から肛門へと流れていきます。体に必要な栄養素は小腸まででほとんど消化吸収され、大腸では水分を吸収します。たくさん水分を吸収すれば、それだけ大腸が水分を吸い取ったことになるのです。

反対にやわらかいウンチ、なかでも下痢は、大腸があまり水分を吸収しないまま肛門まで早く流れついたウンチ。腐った食べ物などで下痢になると、たいてい腸内炎や感染症を引き起こしているので、大腸はそれを敏感に感じ取り、早くウンチを外に出したくて仕方がありません。

便秘がちの人にとっては、水分を多く含んだ下痢が腸内を流れることで、体内に残ったウンチが排出できることもあります。しかしもちろん頻回な下痢や、慢性的な下痢には注意が必要。ちなみに下痢と便秘を2~3日おきに繰り返す場合、大腸がんの可能性もあるので注意しましょう。

◆太いウンチで今日も元気に!
「太いウンチなら今日も快便」は本当のことで、見た目で気になる細いウンチが何日も続くような場合、これまた大腸がんの心配があります。がんやポリープなどの突起物に邪魔されて腸の管が細くなり、必然的にウンチも細くなるわけです。

このように、ウンチの色や固さ、太さをチェックすることは、重大な病気のサインの発見につながります。もしウンチに異常があるときは、恥ずかしいと思ったり、自己判断で大丈夫と放置したりせず、きちんと医療機関で検査を受けることが大切です。自分自身の健康管理の第一歩として、ぜひウンチを観察する習慣をつけるようにしてください。

■今回お話を伺った先生
駒崎医院 副院長 駒崎 敏昭先生
胃腸科専門医。
駒崎医院で診療するかたわら、徳之島や沖永良部島に行き離島での地域医療に貢献。消化器内視鏡指導も行っている。(2007年取材時)

文=光原 ゆき