Microsoft Researchは2018年2月5日(現地時間)、VR(仮想現実)を用いたキー入力の実験結果を公式ブログで発表した。同社は本実験について、「VRは臨場感あふれるゲームやエンターテインメントに焦点を当てているが、理想的な仮想オフィス環境の生成にも役立つ」(Microsoft Research Senior Researcher, Eyal Ofek氏、および同Senior Research Software Development Engineer, Michel Pahud氏)と取り組みの理由を説明している。

公式ブログに掲載した2本の動画では、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着し、物理的キーボードとタッチキーボードを用いた仮想空間内におけるキー入力を行った。Microsoft Researchは、「多くのユーザーはディスプレイからタッチキーボードに視線を戻して入力しなければならない。本実験ではタッチスクリーンキーボードを目の前の机上に映し出す。だが、研究結果からは仮想環境での入力速度は物理環境と比べて著しく遅くなることが分かった。これは、解像度とレイテンシーに起因するHMDの限界が影響している」と分析している。

  • 実験では物理キーボードを用いた入力、ユーザー操作を追跡する手の3Dモデル、ユーザーの手を透明化してキーボードの視認性を高めた状態、そしてキー入力のみをフィードバックするアニメーションの4種類で検証した(画像は公式動画より粋)

    実験では物理キーボードを用いた入力、ユーザー操作を追跡する手の3Dモデル、ユーザーの手を透明化してキーボードの視認性を高めた状態、そしてキー入力のみをフィードバックするアニメーションの4種類で検証した(画像は公式動画より抜粋)

実験は4種類の手法を用いているが、結果としては指先のみ見える手が透明な手のアニメーションがもっとも効果的だったという。Microsoft Researchは、「我々がテストした4つの手法を超える可能性を追求して技術革新を推し進める」と述べた。

阿久津良和(Cactus)