新年会に忘年会、歓迎会に送別会。日本の職場には、こういったお決まりの飲み会が存在する。しかも、必ず出席するのが暗黙のルール。そんな日本の飲み会について、日本で働く外国人はどう思っているのか。彼らの本音を聞いてみた。

  • 日本の職場の「飲み会」文化をどう思う? - 外国人の意見は?

Q.日本の職場で行われる「飲み会」文化についてどう思いますか? またあなたの国の会社との違いがあれば教えてください。

■いい文化だと思う

  • 「飲み会はコミュニケーションをとる良い機会だと思います。インドでは女性はあまり飲み会に出席しません」(インド・30代前半・男性)
  • 「アメリカは飲み放題・食べ放題が少ないと思います。車文化なので、泥酔が危ないですし。日本の飲み会はみんなで弾ける感じが好きです」(アメリカ・30代前半・女性)
  • 「交流と親睦が深められて結構と思います」(中国・20代前半・女性)
  • 「飲み会は良いと思いますが、飲めない者にとっては居心地が良くないときもあります。母国の会社で仕事仲間と飲み会という習慣はないです」(パラグアイ・50代・女性)
  • 「いいと思います。日本には飲み会の時間制限があります」(ペルー・40代前半・女性)
  • 「いい文化だと思う。ロシアでは飲み会の文化は珍しいと思う。飲み会よりイベントを行う文化がある」(ロシア・20代前半・男性)
  • 「良いと思います。タイでは日本ほど頻繁に飲み会はありません」(タイ・40代前半・男性)

■頻度が多い

  • 「ポーランドで会社の飲み会いはあまりない。友達同士のほうが多い。日本で飲み会いがよくあると私は嫌だ。たまになら良いです」(ポーランド・30代前半・男性)
  • 「シリアでは飲み会文化がありません。日本の飲み文化が結構好きですが、回数が増えると、時間とお金と体力を消費してしまうところもあります」(シリア・30代後半・男性)
  • 「送別会、歓迎会、忘年会、新年会、定期的な飲み会など、母国にはなかなかないです。送別会はたまにあります。仕事のディナーもよくありますが、普段は社員だけでなくお客様と一緒に食事をします。たまにならいいんですけど、日本企業みたいに毎週のペースではきついと思います。毎週酔っぱらうという生活は私には無理です!そんな頻繁にあったらあまり参加したくないです。そして、毎回酔っぱらったら身体にとても悪いと思いますので健康的ではないです」(イタリア・20代前半・女性)

■食事会ならある

  • 「飲み会の代わりに、食事会をよくする」(マレーシア・40代前半・男性)
  • 「悪くはないと思いますが、他の活動はないかと思ってしまいます。香港の場合は食事会のほうが多いです。お酒は必須ではありません」(香港・20代後半・男性)

■いい文化ではない

  • 「良くない文化的な所です。私、健康的なタイプなのでお酒を飲まないんです。母国にはそういう習慣はありません」(スペイン・30代前半・男性)
  • 「あまり好きじゃない。お酒を飲まないからでしょうか。ハンガリーは飲みに行くのは友人同士ぐらいしかない」(ハンガリー・30代後半・女性)

■無理に付き合わされている

  • 「職場の飲み会は、日本では特に上司に気遣う会でありますが、母国では上司と飲み会はあまりしないです」(カンボジア・20代前半・男性)
  • 「飲み会文化は嫌いです。会社員にも私生活があり、飲み会の参加に関してのプレッシャーで家族を忘れることに繋がると思います。お酒に励ましを求めるようになり、酔っ払った上司のつまらない話には興味ありません。私の職場には飲み会はありません」(ドイツ・30代前半・男性)
  • 「みんなが無理して、嫌なことに付き合ったりするのにびっくりです。フィリピンではみんなは自然と飲み会が好きですが都合が悪い時など無理はしません。あと子供を連れて行く人もいます。そうすることで女性も無理なく行けますし、男性たちも子供をみてくれるのです。子供たちもいるので飲みすぎのコントロールにもなります」(フィリピン・30代後半・女性)
  • 「母国でもクリパなどやりますが、参加自由で決められます。飲みすぎなど、アルコールを通して誰かと仲良くする事はあまりよくないと思います。別の会社と飲み会などを参加した事があって、楽しかったです」(オーストラリア・30代後半・女性)

■その他

  • 「お酒を飲んで酔っ払うのは好きじゃないです。エジプトはムスリム教の国なので、お酒は固く禁じられたもの、飲んではいけない、売ってはいけない、持ってはいけないので、ムスリムでお酒を飲む人は悪い人だと思われます」(エジプト・30代前半・女性)
  • 「同じような集まりになります」(スペイン・40代前半・女性)

総評

日本の職場での飲み会文化に、外国人からは賛否両論、さまざまな意見が寄せられた。賛成派からは、「親睦を深められる」「コミュニケーションを取る良い機会」「みんなで弾ける感じが好き」といった好意的な意見が挙がった一方、反対派からは、「無理して付き合っている」「酔った上司のつまらない話に興味はない」とバッサリだった。

いいか悪いかはさて置き、全体的に、職場の人と飲みに行く文化は「無い」という国が目立った。ウォッカの国「ロシア」でさえ、飲み会は珍しいという。そんな国では、職場の人ではなく「友人」と、飲み会よりも「食事会」や「パーティー」というのが主流のようだ。「上司に気遣う会」と表現した人もいたように、日本の職場の飲み会は、外国人から見れば「仕事の延長」でしかないようだが、海外の食事会やパーティーでは仕事の話しはNGとのこと。お酒の場では、上司も部下もないようだ。

「たまにならいいけど、回数が多すぎる」という意見も多かった今回のアンケート。毎晩飲み歩いていたバブル世代からすれば、週1回でも足りないかもしれない。しかしながら、働けど小遣いも手取りも増えない経済事情、子どもがお迎えを待っている共働き世帯など、今は家庭の事情を優先するのが主流のよう。"飲みニケーション"は死語になりつつあるようだ。