ルネサス エレクトロニクスは1月29日、同社のタッチキー向け32ビットマイコン「RX130グループ」の上位ラインアップを拡充したことを発表した。

同グループは、「自己容量方式」と「相互容量方式」の両方式に対応した高感度かつ高ノイズ耐性の静電容量式タッチIPを搭載。これにより、タッチキーの材料として木やガラスなどの電気を通しにくい素材を使用したり、濡れたり汚れたりするようなキッチンや浴室、手袋をして作業をする工場内の機器にも使用することをが可能であり、3Vまたは5V動作の家電製品、ビルディングオートメーション、産業オートメーション機器のタッチキー向けマイコンとして活用が期待されている。

今回の取り組みは、従来、メモリ容量が64KBから128KB、48ピンから80ピンのパッケージであったラインアップを、家電製品、ビルや産業オートメーション市場における、多言語サポート、HMIや機能安全などの対応の必要性からマイコンの内蔵メモリサイズや制御端子の数が増加する傾向にあることを受け、メモリ容量512KB、100ピンまでパッケージを拡充したというもの。これにより、システム設計者は、システムの規模に合ったメモリサイズやパッケージのマイコンを選択することが可能となり、RX130を共通プラットフォームとして活用することができるようになるという。

また、RX130はグループ内の互換性に加えて「RX230」、「RX231」とも互換性があり、タッチコントロールや5Vシステム制御ソリューションの高性能化を、シームレスな製品展開により容易に移行を実現できると同社では説明しているほか、RX130の512KB、100ピンに対応したRXファミリ内でシームレスに移行できる共通APIを搭載したFirmware Integration Technology(FIT)ドライバパッケージもリリースする予定としている。

さらに、同社では、今回のラインアップ拡充にともない、タッチキーソリューションの評価環境もアップデートを実施。RX130の512KB、100ピンの機能評価を実現するRenesas Starter Kitをリリースしたほか、タッチキーのソフトウェア開発や感度を自動で調整するツール「Workbench6」をv1.07へアップデート。これによりノイズ耐性が向上したほか、操作性の向上や、サンプルプロジェクトの追加なども施されたとする。

なお、今回のラインアップ拡充により、RX130グループは、従来の20品種に38品種が追加され、合計58品種となった。また、サンプル価格は、例えばメモリ容量512KB、100ピンパッケージの「R5F51308ADFP」の場合で、1万個ロット時で256円(税別)としている。

  • ルネサスのタッチキーマイコン「RX130」

    ルネサスのタッチキーマイコン「RX130」のラインアップ拡充イメージ