日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は1月25日、同社の「LabVIEW」の次世代製品となる「LabVIEW NXG」の最新版(ver.2.0)をリリースしたと発表し、同日プレス向けの説明会を開催した。今回のリリースでは、自動テスト・計測システム市場をターゲットとし、システム開発者の工数削減を可能にする機能を実装しているという。

ハードウェア設定、遠隔操作が容易に

初期バージョン(ver 1.0)ではデータ収集機能のみをサポートしていたが、今回のバージョンより、NI製品が多く活用されている自動テスト・計測市場をターゲットにした機能強化がなされた。対応するハードウェアの種類が拡張されたことで、数千種類のボックス型計測器や、NIが提供するPXI(PCI eXtensions for Instrumentation)ベースの高性能モジュール式計測器を使用したテストが可能となる。

また、新機能として「SystemDesigner」が追加された。これは、ハードウェアの設計時間を削減するための機能であり、同機能を用いることで、NIと他社製ハードウェアの自動検出、およびドライバインストールがスムーズに行えるようになる。

  • ハードウェア情報の取得、ドライバの特定が容易に

さらに、Webを介してアプリケーションを実行するエンジニア向けの機能「WebVI」も追加。同機能は計測データの遠隔監視に適しており、例えば、半導体工場のクリーンルームや自動車開発におけるエンジンベンチのように、計測装置とデータ監視室が離れている場合に有効だ。

このWebVIを用いることで、HTMLやJavaScriptなどのWebベースのアプリケーション開発手法に明るくないシステム開発者であっても、GUI(グラフィカルUI)を用いて作成したコードを、そのままHTMLやJavaScriptに自動変換することができる。

また、Webブラウザさえあれば、PC、タブレット、携帯電話などにUIを実装してデータ監視することが可能だ。日本NIのテクニカルマーケティンクエンジニアである井関邦江氏は「WebVIにより、特別な専門知識をもったエンジニアを雇う必要なく、プログラムを組むことができるようになる」と説明した。

  • 同じLabVIEW NXGインタフェースで、HTML、JavaScriptなどのコードを生成することが可能になった

移行期間に合わせたサービスも

とはいえ、これまでLabVIEWを使ってきたエンジニアにとって、新たなプラットフォームであるLabVIEW NXGに乗り越え、すぐに使いこなすことは難しい。そこで、NIはLabVIEW NXGへの移行期間として、LabVIEWとLabVIEW NXGを同時並行して提供しており、2種類のバージョンを1製品の価格で販売しているほか、LabVIEWユーザーであれば追加費用なしで両方の開発環境を試すことが可能だとしている。