2018年のAppleに関する、ハードウェア考察の後編をお届けする。今年、Appleから全く新しいハードウェアは登場するのか。プラットホーム化する技術から、どのようなハードウェアが登場しうるのか考えていこう。

2017年は既存の製品のアップデートに加え、「iMac Pro」や「HomePod」などの新しい製品が追加された。2016年には「9.7インチ iPad Pro」「AirPods」が追加されており、年に2つ程度の新しい製品が追加される流れが続いている。2018年には、こちらも既にアナウンス済みのワイヤレス充電パッド「AirPower」が追加されるほか、AirPodsのワイヤレス充電対応ケースの展開も予定されている。

先頃開催された「CES 2018」では、拡張現実メガネに注目が集まったが、Appleがこれに関心を寄せていること、そして仮想現実以上に拡張現実に可能性を感じている点から考えても、なんらかのタイミングで投入するアクセサリとなるだろう。それが2018年なのかどうかは、まだわからないけれども。

こうした具体的な製品以外に、Appleが採用している技術的なプラットホームの展開から、新製品の予想をしてみても面白い。

例えば、iPhone 5sに初めて採用されたTouch IDは、その後iPad、MacBook Proにも採用された。SiriはiPhone 4Sから採用され、macOS、Apple Watch、Apple TV、そしてHomePodにも話しかけることができるようになった。Apple Payも、iPhoneから始まり、Apple Watch、iPad、Macへと拡がった。このように、iPhoneに初めて搭載された技術が他の製品に波及していくのは、iPhoneを核としてAppleの「体験」が設計されていくことに起因している。つまり、体験を司るハードウェア、ソフトウェア、サービスの技術は、iPhoneから展開されていくことになるのだ。

  • iPhone XではTrueDepthカメラなど、革新的な機能が搭載された

現在のiPhoneでは、機械学習、拡張現実、TrueDepthカメラ、Face ID、ホームボタンなしのユーザーインターフェイスといった新しい機能が採用されている。これらが他の製品に波及していく可能性は高いのではないか、と筆者は考えている。