スマートフォンやPCはもちろん、増加するIoTとITが進むにつれて、電気電子機器廃棄物(E-waste)も増加する。世界市場でシェアを持つPCベンダーでもあるデル(DELL)は、PCベンダーの一員として、このE-wasteに対する取り組みをCES2018で発表している。

同社は、環境取り組みプロジェクト「Legacy of Good Program」の一環として2020年までに1億ポンド(約45,360トン)のリサイクル材料を製品再利用の目標に設定、これまでにも製品や梱包に持続可能な材料を使用するなど2012年以降、5,000万ポンド(約22,680トン)を超える再利用を実現している。

今回新たに、米国の女優で脚本家のニッキー・リード(Nikki Reed)さんと進めるプロジェクト「The Circular Collection by Bayou with Love and Dell」では、同社環境パートナーWiston GreenTech社が開発した環境への影響を大幅に削減する再生プロセスを用いて廃棄物から回収した金を使った限定ジュエリーコレクションを披露している。また、使用済み電子機器から回収した金は、製品のマザーボードに使用するプロジェクトも発表しており、2018年春から同社のノートPC「Latitude 5285 2-in-1」にも搭載される予定だという。

Bayou with Loveの共同創設者であるニッキー・リードさんは、「Bayou with Loveを立ち上げた目的は、人間が地球にもたらす影響についての認識を高め、持続可能な方法で調達された再生原料から美しい製品を作り出すことができることを示すためでした。デルとともに、『廃棄物』となった金をリサイクルすることにより、継続的に資源を再利用して廃棄物ゼロを実現するための環境作りに取り組んでいます」とE-wasteから美しいジュエリーが創造されるというこの象徴的なプロジェクトの目的を述べている。

また、デルの副会長Jeff Clarke(ジェフ・クラーク)氏は「当社では、特にサプライチェーンを通じて、より効果的かつ効率的な事業運営の方法を模索しています。製品に使用するプラスチック、カーボンファイバー、ゴールドといった材料をどこから、いかに調達するかというマテリアルにおけるイノベーションは、当社にとってますます重要になっています。地球の鉱石1トンよりも、マザーボード1トンに含まれるゴールドの方が最大で800倍も多いという事実を考えれば、私たちが貴重な材料を蘇らせる膨大な機会を手にしていることが分かります。それに気づいたのがニッキー・リード氏であり、当社だったのです。世界で最も差し迫った環境課題を解決するためには、常に既存の枠組みにとらわれずに考え、イノベーションの境界を押し広げる必要があります」と世界規模でハードウェアを生産する同社が材料獲得においてもイノベーションを実践していることを強調している。