ヴァイナスは1月15日、同社のCFD可視化ポストプロセッサ「FieldView」のアドオンプログラムとして、CFD解析用高機能グラフ作成ツール「Plot Expert V1」を開発。提供を開始したことを発表した。

従来のポストプロセスでは、グラフィック可視化により、配管内部などのどこにどの程度の流量がどのように流れるか、といったことは見ることができたが、実際に解析した結果を定量的に評価しようと思った場合、機能や性能不足により、なかなか上手く必要データの抽出やグラフ化、性能値の算出などを手軽に実現できないという課題があった。

同ツールは、そうしたニーズに対応することを目指し、これまで同社が設計者による工学的判断・評価に必要な解析結果情報を効率的に出力するReporter製品シリーズの開発で培ってきたノウハウをベースに汎用的に活用できるものを目指して開発されたもので、単にダイナミックな動きを可視化するのではなく、非定常解析結果の指定境界面における時間ステップごとのスカラ値の積分値を取得し、縦軸にスカラ値、横軸に時間のグラフを作成。座標点を入力するだけで、何秒後に、どのようにグラフが変化していくかを容易に示すことが可能となっている。

また、非定常解析結果の指定点における時間ステップごとのスカラ値に対し高速フーリエ変換(FFT)を実行し、縦軸にスカラ値、横軸に周波数のグラフを作成することも可能だという。さらに、ターボ機器などの回転機器において、翼の先端位置など回転するモニタ位置の物理量を捉えたいといったニーズに対し、モニタ点を時間ステップごとに追従してスカラ値を取得し、グラフを作成することも可能だという。

このほか、グラフ画像の出力に加え、グラフ作成のデータファイルも出力可能であるため、レポート用に装飾を付加、複数グラフを統合するなど、必要に応じて、外部のExcelなどのグラフ作成ツールにてユーザー独自の追加処理を行うことも可能だという。

なお、同社では本年中に次期バージョンの提供も予定しており、そちらでは外部のプログラムからのデータ読み出しを可能とするほか、ダクトの中心点を自動的に分析して、中心線に沿った物理量の変化グラフを作成する機能なども搭載される予定だという。また、MATLABへの対応も予定しているとするほか、従来はCSVで対応していたものを、ダイレクトに3Dグラフ化して表示する機能なども追加される予定だという。

ヴァイナスでは、航空宇宙、自動車、重工業などの分野において、すでにFieldViewを導入しているユーザーを中心に、次に使いたくなる機能、として同ツールの提供を行っていくとしており、初年度で30ライセンスの販売を見込むとする。価格は、年間ライセンス料金が20万円(税別)、永久ライセンス料金が50万円(税別)としている。

  • Plot Expertの専用UI
  • Plot Expertのグラフの例
  • Plot Expertの専用ユーザインタフェースと完成したグラフの例。同時に6か所の観測点における4つの物理量の時間的変化グラフを作成することができる。この図では、2か所の観測点における2つの物理量変化グラフを作成したイメージとなっている (資料提供:ヴァイナス)