ソニーはCES 2018にて、アメリカで発売を予定するテレビの新製品を発表しました。2017年のCESで大いに注目を浴びた有機ELテレビもラインナップを拡大します。

ここでは、4K/HDR対応の有機ELモデル「A8F」のほか、液晶テレビ上位 (日本国内では9000番台のクラスに当たる)モデル「X90F」について詳しい内容を見ていきましょう。2018年に日本で発売される新しいBRAVIAに関するヒントもあるはず。

設置スタイルを一新した有機ELテレビ

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    有機ELテレビの北米向け新製品「A8F」シリーズ

有機ELテレビは、アメリカでもフラッグシップラインとして発売されているA1シリーズに続くかたちで、A8Fシリーズが5月頃に登場を予定しています。A1シリーズは77 / 65 / 55型の3サイズですが、A8Fシリーズは65型が3,500ドル (約39万円)、55型が2,500ドル (約28万円)と2サイズの予価が発表されています。

なぜ型番が「1」から「8」にいきなりジャンプアップしたのか? ソニーのテレビ担当者に訊ねてみましたが「理由は特にない」みたいです。

A8Fシリーズには、A1シリーズに採用していたソニー独自の4K対応高画質プロセッサー「X1 Extreme」が搭載されます。アルゴリズムを有機ELテレビに最適化したことで、パネルの実力を最大限に発揮。没入感あふれる映像を再現します。

A1とA8Fの違いは?

デザインはA1シリーズから変更されています。A1シリーズは、卓上カレンダーのように背面のスタンドを引き出して、画面を5度ほど斜めに傾けて設置するデザインでした。「十分好評をいただいていましたが、中にはわが家には置けないという理由で購入を諦めた方もいたことから、A8Fはスリムなテーブルトップスタンドを使って置けるデザインに仕上げています」(ソニー担当者)

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    スリムなテーブルトップスタンドをつかって設置できるようになった

テーブルトップスタンドは非常に薄く、パネルは狭額縁フレームを採用しているので、テレビラックの上においてもまるで映像だけが宙に浮いているような視聴感が楽しめます。ケーブルを接続する端子類の位置も、本体の背面から側面に変更されているので、取り回しがすっきりとシンプルにできます。

「A1シリーズとA8Fシリーズに、どちらかが上位・下位という位置づけはありません。アメリカでは設置スタイルを選べるラインナップとして両方を販売します」(ソニー担当者)

画質の面でスペック上の変更はありません。同じ映像プロセッサーを搭載し、有機ELパネルも同世代のデバイスが使われています。ただ、A1シリーズが発売された後に、ソニーのエンジニア陣がブラッシュアップしてきたノウハウは、新しいA8Fシリーズに成果として盛り込まれるとのこと。A1シリーズにもソフトウェアアップデートなどでこれを段階的に追加していくこともできるようですが、実際に行うかどうかは検討が必要とソニーの担当者が答えています。

アメリカモデルはGoogle アシスタントに対応。日本はいつ?

音響システムは、パネルを振動させて音を出す「アコースティック サーフェス」がA1シリーズと同様に搭載されます。スマートOSのプラットフォームはAndroid TV。北米ではA1シリーズにソフトウェアのアップデートで「Google アシスタント」が追加されました。付属のリモコンで音声によりアシスタントを呼び出し、スマートスピーカーとほぼ同じことができるようになるといいます。ただテレビの場合はディスプレイがあるので、Google フォトの写真やYouTubeを再生したり、Duoでビデオ通話などもできるようになりそうです。

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    北米ではBRAVIAのGoogleアシスタントへの対応が始まっている

日本におけるBRAVIAのGoogle アシスタント対応はいつ頃になるのでしょうか?ソニー広報に確認したところ、回答は「未定」。現時点ではアメリカのみ対応しており、今後ほかの地域についてはユーザーのニーズや市場の状況をみながら判断していくとのことでした。日本国内ではまだスマートスピーカーの「Google Home」も発売されたばかりなので、BRAVIAで同じことができてしまうと、ユーザーにとってはかえってわかりにくくなるかもしれないですしね。

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    Amazonのスマートスピーカー「Echo」シリーズにスキルを追加すると、音声でBRAVIAを操作できるようになる。日本ではまだ提供されていない機能