ルネサス エレクトロニクスは、2018年1月9日から米ラスベガスで開催される家電見本市「CES 2018」に出展するため、ダッジラムをベースに、新型コクピット搭載のコネクテッドカーを開発したと発表した。

  • CES 2018に出展予定のデモカー。左から、コネクテッドカー用コクピット搭載NEWダッジラム、ADAS搭載キャデラック、自動運転システム搭載リンカーンMKZ

    CES 2018に出展予定のデモカー。左から、コネクテッドカー用コクピット搭載NEWダッジラム、ADAS搭載キャデラック、自動運転システム搭載リンカーンMKZ

2016年にルネサスとして初めて実車デモを行ったADAS(先進運転支援システム)搭載キャデラックベースのデモカー、ならびに2017年にデビューした自動運転デモを行うリンカーンベースのデモカーについても機能と性能が強化された。

新開発のダッジラム1500トラックベースのコネクテッドカーは、コクピットのセンターに17インチのフルHDコンソールを装備し、メータークラスタも12.5インチの3Dのデジタルクラスタを採用。Green Hills SoftwareのINTEGRITY Multivisorによる仮想化機能により、Safe OS上のクラスタ表示とAndroid 8.0を搭載したコンソール上のアプリケーション間の表示連携をR-Car H3で実現する。また、室内をカメラでセンシングし、ドライバの状態を認識するとともにクラウドとのアプリ連携を図る。このほか、リア/サイドビュー電子ミラーや、SDR(Software Defined Radio)なども搭載される予定となっている。

また、CES 2017で発表されたリンカーンMKZベースの自動運転デモカーは、市街地での自動運転の実現を見据え、センサーカメラを9個とGPSとLiDARセンシングを備え、それぞれのセンサーを高性能、低消費電力のR-Car SoCでレーン認識、停止標識、速度制限標識、信号機、歩行者、駐車スペースの検出などを行う。特にコストに優れるR-Car V3Mでは、ディープラーニングによる認識を実現している。HADソリューションキット2台を使用してセンサーフュージョンやコグニティブ処理を行う同システムはフェールオペレーショナルを実現し、30Wの低消費電力にて動作する。

そして、CES 2016にて発表されたキャデラックSRXベースのADAS搭載デモカーには、R-Car H3に内蔵されたIMP-X5により、3Dサラウンドビューによる歩行者や車両の検出を行うほか、イーサーネットによるサラウンドビューカメラ機能の強化や、車両背後のブラインドエリアの警告など、センサーフュージョン、セキュリティ、ADAS機能を搭載。車両内のセキュアな通信やOTAアップデート機能、クラウドベースの通信は4G/LTEおよびDSRCなども含め、あらゆる有線および無線プロトコルに対応可能となっている。

ルネサスエレクトロニクス 車載システム事業開発統括部のVice PresidentであるAmrit Vivekanand氏は、次のように述べている。「ADASや自動運転システム、またコネクテッドカーを開発されているお客様にとって、市場投入までの期間短縮や、将来を見据えた柔軟性、さらにはコストの制約など、課題は急速に厳しくなっています。我々のこれらのデモカーは、開発プラットフォームとして高い評価をいただいており、今後も素晴らしいパートナーとのコラボレーションを強化し、お客様の自動運転やコクピット開発を加速します。」