理経は12月12日、新宿駅周辺防災対策協議会メンバーで構成される「チーム・新宿」による、超高層ビル街でのドローンを用いた情報収集および滞留者誘導の実証実験第二弾に参画したことを発表した。

  • システム構成図

    システム構成図

この実証実験では、ドローン活用の実効性と課題の確認に加え、新たにドローンの発着場所から離れた現地本部(工学院大学)から、音声による遠隔指示が可能な通信網を構築した。

長距離無線LAN(自営網)を利用した、ドローンの映像情報共有を可能にするシステムに加え、新たに自営網内で現地本部と拠点間を結ぶIP電話システムを構築。これを利用して、遠隔地の現地本部からドローン発着拠点、各拠点への指示が可能になる。

このIP電話ならびに協力各社の設備を組み合わせ、災害時に現地本部とドローン発着拠点、各拠点で、ドローンの映像およびドローンに搭載したスピーカーを利用して滞留者誘導の現実性などの確認を行った。

基幹インフラとして、理経、日東通信による長距離無線LANシステム(現地本部と拠点間で約100Mbpsの自営無線インフラ)を構築。音声ゲートウェイ設備には日東通信社「LEGASip」を利用して、現地本部と拠点間でのIP電話システムを自営網内で構築するとともに、IP電話からドローンスピーカーへの音声伝達をするための音声ゲートウェイ機能も提供する。

また、ドローン映像共有、各拠点状況の映像確認設備には、アイベックステクノロジー社製「HLD-300Cエンコーダ/デコーダ」(超低遅延対応H.264コーデック)、ネットワークカメラを利用して、ドローン映像および各拠点の状況映像を各拠点へマルチキャスト伝送。リアルタイム映像コミュニケーション技術には、収集した情報をもとに各拠点間の意思決定するためにブイキューブロボティクス社リアルタイム映像コミュニケーション技術とともに、クラウド内のサーバを活用。さらに移動式大型ディスプレイとして、災害時およびイベントに有効なシステムファイブ社移動中継車を映像情報伝達用ディスプレイとして利用する。

同社は2003年より、緊急情報を国から住民まで瞬時に伝達するシステム「Jアラート」を理経が総務省消防庁に提案するなど、防災システム提案に取り組んでいる実績を活かし、今後も災害対応実証実験に参加するという。さらに、地方公共団体にとって有益で実用的な災害情報伝達システムの提案および構築を行い、さらなる防災分野での社会貢献を行うとしている。