オムロン ソーシアルソリューションズ(OSS)は12月14日、ドライバーが運転に集中できているかを判断する「ドライバー見守り車載センサ」を実用化した安全運転管理サービス「ドライブカルテ(DriveKarte)」を物流・公共交通などの事業者向けに提供すると発表した。

  • ドライブカルテのサービス概要。ドライバーの危険運転を検知し警告を行うほか、管理者への遠隔メール通知、安全運転レポートの作成などが可能

ドライバーの運転集中度の低下に起因した交通事故は後を絶たない。また、労働力不足が深刻化する物流業界などでは、ドライバーの安全運転意識を高め、早期に育成していく必要がある。

  • 平成28年の交通事故死者数は3904人、その原因の多くは、ドライバーの運転集中度の低下に起因したものであるという

ドライブカルテは、これらの問題の解決を目的として開発されたもの。専用のセンサを既存の車両に取り付けることで、ドライバーの運転状況をセンシングし、事故につながる挙動を検知すると警告音で注意を促すとともに、運行管理者にメールで通知することができる。

さらに、車両の走行状態とドライバーの運転集中度をデータ化し、安全運転指標として事業者に提供することも可能だ。これにより、ドライバーの安全意識を改善・向上させるための教育支援としても活用できるという。

  • サービスの特徴。車両走行分析、ドライバー危険行動分析を組み合わせることで、より安全な運転管理を実現する

  • 人、車両の危険挙動と交通事故のデータを蓄積し、相関性を調べることで、事故につながる原因を把握し、運転リスクの削減を実現する。近い将来、ドライバーの健康状態と交通事故関係性の相関性も調査する予定だという

  • ユーザーはセンサを設置するだけでソリューションを利用可能。月額払いでの料金プランも用意されており、ユーザーの負担が少ないことが特徴であるとのことだ

説明を行ったOSS社会ソリューション事業本部の小藪竜也 事業企画課長

OSS 社会ソリューション事業本部の小藪竜也 事業企画課長は、同ソリューションの市場性について、「事故ゼロ・商品価値の向上を目指す業界での利用を期待。約200万台の車両がターゲットとなる」と説明する。また近い将来には、生体情報連携による高度化、さらには車外情報などによる高度化も目指すとしており、「同ソリューションにより、事故ゼロの世界を実現したい」と続けた。

会見では、ソリューションのデモンストレーションも実施された。

  • デモンストレーションの様子

  • 目線の高さ、向きなどからドライバーの眠気・わき見などを検知する

  • センサで検知した情報から、運転への集中度合いを判断する

  • センサにより得た情報からレポートを作成可能。事故の種になるようなドライバーの行動を可視化することで、事故発生を防ぐ

なおOSSは同ソリューションに関して、2018年~2022年の5年間で累計100億円の売り上げを目指すという。さらに、自動運転インフラ設備の拡大が見込まれる2025年にはサービスの価値転換を図り、年間100億円の売り上げを目指すとしている。

  • 2018年からの5年間で累計100億円の売り上げ、2025年からは年間100億円の売り上げを目指す