電通と日本マイクロソフトは、「リアルタイムオーディエンス分析・効果測定」と「視線検知」によるインタラクティブ機能を実装した人工知能型 OOH広告(Out Of Home)の提供を開始すると発表した。

このサービスは、電通が広告ビジネスで培った知見と、マイクロソフトのクラウドベースのAI「Cognitive Services」を掛け合わせることで、通行量計測はもとより、実際に広告を見た人(オーディエンス)の人数や性別などの計測、視線検知によるインタラクティブな広告切り替えなどを可能にする。

性別、年齢と感情(怒り、軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、中立、 悲しみ、驚きを自動判別するほか、オーディエンスの顔の向きと視線(デジタルサイネージのどの部分を見ているのか)を判定する。また、デジタルサイネージ前の通過した人数を認識し、センサーにより取得した情報により広告を出し分けを行う。

これにより、実際の媒体の前を通るオーディエンス属性に適した広告を掲出できるようになるほか、効果測定においても、実際の通行量とオーディエンスの属性を把握し、かつリアルタイムでレポートすることで、重層的な広告投資対効果(ROI)を迅速、正確に把握することができるという。

サービス提供開始にあたり、資生堂ジャパンの協力を得て、12月11日〜12月24日の間に都営地下鉄六本木駅の1番線・2番線ホームのデジタルサイネージ「六本木ホームビジョン」にメイクアップブランド「MAQuillAGE」の広告を設置し、実証実験を行う。

実証実験では、ホームに設置されているクラウド型デジタルサイネージ(NEC「情報・ コンテンツ配信クラウドサービス」)とデジタルサイネージの画像認識センサーを 利用し、オーディエンスの視線に合わせた広告表現の出し分けを実践する。

  • 「MAQuillAGE」の広告イメージ。画面の前に立つと3色のルージュの画面に切り替わり、3秒以上見つめると選んだ色に合わせた診断結果およびECサイトのクーポンをQRコードで取得できる

両者は今後共同でサービスの拡販を実施し、2018年6月末までに国内5社のOOH広告での採用を目指すという。