Appleは2017年6月に開催した世界開発者会議「WWDC 2017」で、高いパフォーマンスを必要とするプロユーザー向けに一体型デスクトップ「iMac Pro」を発表した。同時に発表したホームスピーカー「HomePod」は2018年へとそのリリースが延期されているが、iMac Proに関しては延期の発表はなく、2017年12月に発売される予定だ。一部では12月18日に販売が始まるとも報じられている。

iMac Proは既存のRetina 5Kディスプレイを搭載するiMac 27インチモデルのボディがスペースグレーに塗装され、ディスプレイやスピーカーについても、新たなモノが搭載される。デザインは変わらないが、全面的な性能向上が図られるというわけだ。

プロセッサには8コア、10コア、18コアのIntel Xeonプロセッサが採用され、メモリは32GB、64GB、128GBの2666MHz DDR4 ECC、ストレージは3GB/sのスループットを誇る最大4TBのフラッシュストレージが組み合わされる。グラフィックスはAMD Radeon Pro Vegaで、AppleはどんなiMacよりも3倍以上高速なグラフィックス性能を発揮するとしている。価格は4,999ドルからだ。

Appleの発表以来、IntelやAMDから、iMac Proに搭載予定のプロセッサの発表などがあったが、しばらくはそれ以上の情報が提供されないまま、12月を迎えることになった。という状況下で、iMac Proに関する興味深い情報が出てきたのである。

  • iMac Pro

開発者のSteve Troughton-Smith氏はTwitterで、セキュリティに関連するコプロセッサを搭載する可能性を示唆しており、複数の開発者はその存在がiPhone 7で採用されたA10 Fusionプロセッサになると指摘している。

Appleは、2016年に刷新したMacBook ProのTouch BarモデルにApple Watch Series 2で用いたようなプロセッサT1を搭載し、IntelプロセッサとmacOSとは独立してセキュリティやインターフェイス表示などを司るいわゆる「BridgeOS」を稼動させ、Touch BarやTouch IDを機能させる仕組みを提供している。

という経緯もあるので、iMac ProにコプロセッサとしてA10 Fusionが搭載されたとしてもても、特に新奇性はない。ただ、ではなぜT1やその刷新版であろうT2といったプロセッサをMacBook Proと同じように採用しないのか考える必要があるはずだ。