現役歯科医師のガイドが独自の視点で考える、こんなときはすぐに歯科医院にいった方が良い症状Best5について紹介します!

◆第5位 噛めないほど痛い
歯は炎症を起こすと、抜ける方向にごくわずかに浮き上がろうとする習性があります。噛んで痛いというのは、浮き上がろうとしている歯を押し込むようになるため、痛くなるのです。

より強い炎症で浮き上がる量が大きくなると、明らかに歯が一段と浮き上がってしまいます。口を閉じて全部の歯を噛み合わせる前に痛みの許容範囲を超えてしまいます。こうなると口を閉じておくことも苦痛になります。

痛くて噛めない状態を放置すると徐々に悪化していくことがあるので注意が必要です。

◆第4位 歯ぐきから顔まで腫れた
歯が原因で化膿すると顔まで腫れることがあります。しかしいきなり腫れることは少なく、多くの場合、少し腫れてもしばらくすると自然に収まることを繰り返すので、違和感があるうちに治療してしまうのがオススメです。

しかし一度腫れが許容範囲を超えると、腫れの内部に膿が次々溜まり続けます。こうなると応急処置として歯ぐきを切開して膿を出す必要があります。膿の溜まるスピードが早いと自然に治癒するどころか、膿がどこかから出るまで腫れ続けるため、朝は少しの腫れにも関わらず、夕方になるとパンパンに腫れて口が開けにくくなるほどになってしまうことがあります。

症状が悪化すると入院が必要になることもあるので注意が必要です。

◆第3位 歯に物がはさまる
食事の後に歯に物がはさまるのが気になる人は要注意。はさまるたびに確実に取り除く習慣でもない限り、いつの間にかその状態に慣れてしまい取り除かないままになっていきます。すると虫歯が歯と歯の間から急速に進行してトンネル虫歯を作ります。その穴にさらに食べカスや虫歯菌が入り込み虫歯の進行を加速させていくのです。

量が多くなると歯ブラシや歯間ブラシでは取れないようになります。実際歯科医院で歯の治療器具を使って取り除くと、どれほど圧縮されて詰まっていたのかと驚くような大量の食べカスが、次から次へと出てくることもしばしばです。

繊維状の食べカスが大量にはさまると、歯ぐきの奥の方に次から次へと押し込まれて、虫歯と歯周病が急激に進行するため、そのままでは歯の寿命極端に縮めることとなり、ひどくなると抜歯になることもあります。

◆第2位 歯にズキズキする痛みがある
虫歯の初期症状には水がしみるなどがあります。これは歯の内部にある象牙質という部分に虫歯が進行すると歯の内部の神経に水の刺激がごくわずかに伝わるためです。この状態で虫歯の治療を行うことができれば、歯の神経を取らずに1~2回の治療で治すことができます。

しかし放置すると虫歯がさらに進行して歯の神経が直接細菌に触れてしまい痛みがさらに強くなるとズキズキした痛みになることがあります。この状態から歯の治療を行っても内部の神経を残せないことが多く、治療期間も長引いてしまいます。

虫歯以外にも歯の神経を抜いたあとにしばらくしてから、歯の内部の汚れが原因で、歯の根の先端部分の骨に膿が溜まり、骨に囲まれた空洞に膿の圧力が高くかかるとズキズキする痛みになることがあります。この場合は詰め物をすぐに取り外して歯の内部から膿を出す治療が必要になります。


◆第1位 金属が取れた!
金属が取れてしまうことは臨床ではよく見かけます。決して珍しいことはありません。しかし金属が取れているのにも関わらず、痛みがないからと放置したため、あとで大きな問題になることも多いのです。

歯は金属が取れたまま放置すると、その隙間を歯が移動することで埋めようとします。そのため再治療の際、余分に歯を削らなければならなくなります。さらに外側の硬いエナメル質より柔らかくて虫歯の進行が早い内部の象牙質が露出したままになることが多いため、虫歯の進行が進みやすくひどくなると神経を取る状態になっていたり、抜歯になることもあるのです。

歯のトラブルでは、いきなり大トラブルが襲ってくる確率は低いため、体の発する小さなシグナルのうちに処置してしまうことが大切です。それがコストや時間の節約につながる最も効率的な方法です。

文=丸山 和弘