マツダが多人数乗車のニーズに対応すべく開発した3列シートSUV「CX-8」。小飼雅道社長が「ミニバンに代わる新たな市場の創造に挑戦する」と意気込む最新のマツダ車だが、実際のところ、ミニバンの購入を検討する人にとって新たな選択肢になり得るのだろうか。試乗して確かめた。

  • CX-8の外観1

    最新のマツダ車「CX-8」に試乗

新世代商品群を補完する「CX-8」

マツダは、2012年に新世代商品群の第1弾としてSUV(スポーツ多目的車)の「CX-5」を発売して以後、「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」「CX-3」「ロードスター」と順次、SKYACTIV(スカイアクティブ)技術と魂動(こどう)デザインを用いた新車を発表してきた。2017年にはCX-5がフルモデルチェンジし、新世代商品群の車種展開が一巡したことになる。

その上で、新世代商品群を補完する位置づけとして登場したのがCX-8だ。車両概要については、発表時に掲載となった記事を参照していただきたいが、マツダは「マツダ車にずっと乗り続けていただきたいので、CX-5に乗っていただいた方に家族が増え、多人数乗車を希望する際に応えられる車種として、3列シートのCX-8を導入しました」と説明している。

  • CX-8のキャンプ仕様1
  • CX-8のキャンプ仕様2
  • 発売は2017年12月14日だが、受注は好調とのこと。カラーは「スノーフレイクホワイトパールマイカ」(いわゆる白)が人気のようだ。画像はキャンプに使うイメージで、車中泊もスペース的に余裕がありそうだった

日本で使える車体寸法に

その言葉を裏付けるように、CX-8の車体幅はCX-5と同じで、全長のみ3列シートを実現するため35.5cm伸びて4.9mとなっている。それでも「車体寸法は、国内で不便なく使える大きさに抑えている」とマツダは話す。事実、CX-8は、国内市場を主な狙いとして開発された車種だ。

  • CX-8の外観2

    車体寸法は全長4,900mm、全幅1,840mm、全高1,730mm

エンジンは、初代CX-5から採用されてきた排気量2.2LのディーゼルターボエンジンをCX-8のために改良し、搭載している。ガソリンエンジン車の選択肢はない。このディーゼルターボエンジンにより、「CX-5に比べ約200キロの重量増を感じさせない走りを実現した」と松岡英樹主査は語っている。

以上、CX-8の概要をおさらいしたうえで、試乗の印象を次に紹介しよう。