目細八郎兵衛商店

目細八郎兵衛商店【石川県】

加賀藩の手仕事を支えてきた縫い針から、釣り具というにはあまりに粋で美しい加賀毛針、そして現代的なフェザーアクセサリーまで、さまざまな形で希少な伝統工芸を今に伝える老舗・目細八郎兵衛商店。伝統工芸の街で愛され続けてきたその細やかな仕事ぶり、金沢を訪れるならぜひ直接手にとって確かめたいものです。

創業天正三年の老舗「目細八郎兵衛商店」

目細八郎兵衛商店は天正三年(1575年)創業、なんと約440年も続く老舗中の老舗。その針の品質は高い評価を受け、加賀藩主より「めぼそ」の名を与えられます。 やがて縫い針だけでなく鮎釣り用の加賀毛針でも知られるようになり、その繊細な仕事ぶりや、芸術品のように美しい作品で多くの人を魅了するように。さらに現在は、加賀毛針の伝統的な技術を応用したフェザーアクセサリーや、その制作体験など、時代に合わせてさまざまな形で伝統工芸を守り続けているのです。

芸術品のように美しく繊細な釣り具「加賀毛針」

伝統工芸の盛んな金沢ですが、希少な工芸品として知られる加賀毛針のルーツはちょっと変わっています。 江戸時代、武芸を奨励しては幕府に謀反の疑いをかけられかねないとして、武芸の代わりに足腰を鍛えるため加賀藩で奨励されたのが武士たちによる“鮎釣り”。ところが、そこはさすが工芸の街、漆塗りや金箔を施した釣り竿が登場するなど、釣り具が徐々に粋で美しい工芸品となっていったのだとか。 毛針ももちろんそのひとつ。キジやヤマドリ、クジャクの羽毛をはじめとする艶やかな素材で川に棲む虫を模し、鮎との知恵比べに興じたというわけなのです。

縫い針「めぼそ針」は加賀藩御用達

初代八郎兵衛が、京都系統の針穴成形技術に独自の工夫を凝らし、より使いやすくしたというのが目細八郎兵衛商店名物の縫い針「めぼそ針」。 その糸の通しやすさは藩主がわざわざ商品に名を授けるほどの評判となり、加賀藩御用達の逸品として今なお受け継がれているのです。加賀繍やお細工物など、手縫いは金沢の伝統工芸にとって欠かせない要素のひとつ。粋で美しい伝統工芸を支えるのもまた、「めぼそ針」のように細やかな仕事が光る伝統工芸というわけなのです。 駅からも近いので、出張や旅行の際にお土産を探しに立ち寄ってみると良いかもしれません。