LIXIL 常務役員 LIXIL Housing Technology Japan ZEH 推進事業部長 野澤徳則氏

LIXIは12月4日、家電やデジタル機器に加えて、玄関ドアや窓シャッターなどの建材までIoT技術でつながる、住まいのリンクシステムを開発したと発表した。

同システムの特徴は、建材、住宅設備機器などを操作・連携させる「ホームコントローラ」と、センサーやカメラ、AIスピーカーなどを操作・連携させる「リンクコントローラ」を、独自の技術により融合している点。そのほか、同システムは2つのコントローラをLIXIL独自の技術で一括連携させる「ルータ」から構成される。

これにより、住宅内のさまざまな操作機器と各種センサーが連携し、AIスピーカーやスマートフォン・アプリによる一括管理・コントロールのほか、玄関ドアの開閉など建材を操作すること、エアコンや照明を自動で連動させることが可能となる。

常務役員 LIXIL Housing Technology Japan ZEH推進事業部長 野澤徳則氏は、同社が考える「これからの住まい」は「省エネで健康・快適な住まい」と「より便利で安全な暮らし」という2点がポイントであり、後者を実現するため、人・モノ・家電が情報で結ばれたIoTの研究を行っていると説明した。具体的には、開口部やエクステリア、水回り商品を含めて「トータルなシステム」を探求していく。

  • 住まいのIoTリンクシステムの概要

  • 住まいのIoTリンクシステムの構成

  • 住まいのIoTリンクシステムのイメージ

同システムの主要機能は「建材・設備・家電製品等の遠隔操作」「センサーや音声認識による自動制御」「留守宅や実家の見守り/防犯」「エネルギーや生活習慣の見える化」。

例えば、家中の照明や家電製品・給湯設備・窓シャッターなどさまざまな設備を、スマートフォン・アプリから遠隔で操作できるほか、AIスピーカーによって、自宅のさまざまな設備を一括管理できる。

また、住宅内に設置したセンサーやカメラを一括管理することで、外出先からスマートフォンで自宅を見守ることができるようになる。玄関に設置したIPカメラの人感センサーにより、子どもの帰宅や不審者の侵入など、即座に動画付きメールで確認することも可能。

同システムにおいて、何をきっかけ(トリガー)として、どのような動作(アクション)につなげるのかというルールを設計する機能が、「アシストルール機能」となる。ルールはユーザーが自由に設定可能。

機能はカスタマイズが可能だが、AIスピーカーで家電や建材をコントロールする「おうちまるごと自動パック」「セキュリティパック」「お手軽見守りパック」など、機能を組み合わせたパッケージも提供が予定されているという。価格は未定だが、ベーシックプランは10万円程度から提供を計画しているとのことだ。AIスピーカーは、GoogleとAmazonの製品に対応する予定。

  • 説明会では、GoogleのAIスピーカーを用いて、窓のシャッターの開閉、照明のオンオフ、エアコンのオンオフを行う様子が披露された