独SCHOTT(ショット)は、アルミ電解コンデンサ向けガラスとAlの封止技術「GTAS」の日本市場への提案を強化していく方針であることを明らかにした。

アルミ電解コンデンサは、効率的で信頼性が高い電子部品ながら、その性能は、ハウジングに使われる設計や素材によって制限されるほか、コンデンサの端子には劣化しやすい樹脂封止されることが多いため、劣化によって気密性が失われ、継時的な電解液のドライアップや静電容量損失などを引き起こすことが知られており、対応策としてコンデンサの大型化や複数のコンデンサが用いられてきたものの、コスト低減や小型化といったニーズへの課題となっていた。

GTASは、コンデンサにおける電解液の蒸発(ドライアップ)を軽減させ、長期的で信頼性の高い性能の実現を目的に開発された技術で、同社では、75年以上におよぶガラスと金属の封止技術「GTMS」の経験を活かすことで、同技術を開発、技術改善を進めてきたと説明しており、アルミ電解コンデンサの封止材を特殊ガラス材に換え、GTAS技術を用いることで、コンデンサの端子を、アルミニウムリッドに気密封止し、アルミ電解コンデンサの液漏れを防ぐことができるようになるという。

また、-40℃から+150℃の温度条件に対する耐久性も備えているため、場合によってはその温度領域を超えた対応も可能だとしており、同社では、ラジアルリードタイプとアキシャルリードタイプ、スナップインタイプタイプや、スーパーキャパシタ、そして電気二重層コンデンサなど、幅広い用途に適していると説明している。

なお、同製品の日本における販売は、同社グループのNEC SCHOTTコンポーネンツが担当するとしている。

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  • GTAS技術の概要 (写真提供:ショット)