デュアルSIM・デュアルVoLTE対応も、国内でのVoLTEサポートはソフトバンク系のみ

その他の仕様を見ていこう。主な仕様は、以下にまとめたとおりだ。

HUAWEI Mate 10 Proの主なスペック

  • OS : Android 8.0
  • UI : EMUI 8.0
  • CPU : HUAWEI Kirin 970(2.46GHz駆動コア×4+1.8GHz駆動コア×4+Mali-G72 GPU+NPU)* 内蔵メモリ : 6GB
  • ストレージ : 128GB
  • 外部ストレージ : なし
  • ディスプレイ : 6.0インチ 有機ELディスプレイ
  • ディスプレイ解像度 : 2,160×1,080ピクセル
  • メインカメラ : 1,200万画素 RGB+2,000万画素モノクロ/f1.6
  • サブカメラ : 800万画素/f2.0
  • バッテリー容量 : 4,000mAh
  • FDD-LTE : B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B9/B12/B17/B19/B20/B26/B28/B32
  • TD-LTE : B34/B38/B39/B40/B41
  • WCDMA : B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19
  • GSM : 850/900/1800/1900MHz
  • LTE通信速度 : 国内 受信時最大500Mbps、送信時最大50Mbps
  • Wi-Fi : IEEE802.11a/b/g/n/ac
  • Bluetooth : 4.2+BLE
  • インタフェース : USB Type-C×1
  • GPS : GPS/Glonass/BDS
  • NFC : 対応
  • センサー : 指紋認証センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、地磁気センサー、環境光センサー、近接センサー、磁気センサー、気圧センサー、赤外線
  • 防塵・防水 : IP67
  • サイズ : 74.5×154.2×7.9mm
  • 重量 : 178g
  • カラー : チタニウムグレー、ミッドナイトブルー

LTE通信については、Mate 10 Proではかなり多くのLTEバンドをサポートしている。国内キャリアでほぼ問題なく利用可能なのはもちろん、海外使用にも柔軟に対応できるだろう。そして、SIMを2枚装着して利用できるデュアルSIMに対応するとともに、双方のSIMでLTE通信およびVoLTE通話を利用できる、デュアルVoLTEをサポート。

例えば、一方のSIMでVoLTE通話中でも、もう一方のSIMによるLTE通信が可能となっている。SIMソケットは2つあるが、どちらも通信仕様(サポートするバンドなど)は同じだ。ただし、国内キャリアのVoLTEサポートはソフトバンク系のみ。NTTドコモやauのVoLTEへの対応は、現時点では未定とのこと。

  • Mate 10 Pro

    下部側面。USB Type-Cポートが備わっている

  • Mate 10 Pro

    左側面

  • Mate 10 Pro

    上部側面。赤外線ポートが用意され、テレビなどの家電をリモコン操作できる

  • Mate 10 Pro

    右側面。右側面にボリュームボタンと電源ボタンを配置

この他の無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANと、Bluetooth 4.2+BLEを搭載。Bluetoothはapt X、apt X HD、LDACをサポートしており、ハイレゾ相当の高音質再生も可能だ。

外部ポートは、下部のUSB Type-Cポートのみとなり、オーディオジャックは省かれている。有線ヘッドホンはUSB接続のものを利用することになる。製品に付属するUSB接続のイヤホンを利用してもいいが、付属のUSB Type-C ヘッドホンジャック変換アダプターを利用して手持ちのヘッドホンも利用可能だ。

  • Mate 10 Pro

    左側面にSIMスロットを備える。SIMは2枚装着可能なデュアルSIM対応で、双方ともLTE通信およびVoLTE通話にも対応

  • Mate 10 Pro

    IP67準拠の防塵・防水仕様。SIMトレイにもパッキンが備わっている

  • Mate 10 Pro

    このように、2枚のSIMを装着し、双方でLTE通信が可能。国内でのVoLTE通話はソフトバンク系のSIMのみとなる

そして、IP67準拠の防塵・防水仕様に対応する点も、従来モデルからの大きな進化点。これなら、雨に濡れても心配無用で、水回りでも安心して利用できるはずだ。

バッテリー容量は4,000mAhと大容量で、ヘビーな利用でも問題なく1日以上は使えるとしている。実際に、NTTドコモのSIMを装着して数日間利用してみたが、朝から夜まで、比較的ヘビーに使ってみても、途中でバッテリーが切れることはなかった。もちろん、利用環境や使い方によって変わるとは思うが、1日経たずにバッテリーが切れることはないだろう。

  • Mate 10 Pro

    製品パッケージには、シリコン素材のケースが付属する

  • Mate 10 Pro

    USB Type-C接続のイヤホンも付属

  • Mate 10 Pro

    USB Type-C オーディオジャック変換ケーブルも付属しており、手持ちのヘッドホンなどを接続して利用可能

充実機能は魅力だが、AIプロセッサを活用するアプリの充実が課題か

足早にMate 10 Proを見てきたが、ファーウェイのフラッグシップモデルらしい、充実した仕様が大きな魅力と感じた。アスペクト比18:9の6インチ有機ELディスプレイによる優れた表示品質、着実に進化しているLeicaブランドのダブルレンズカメラ、デュアルSIMデュアルVoLTEサポート、IP67準拠の防水・防塵仕様など、従来モデルからの進化はかなりのものだ。

AIプロセッサ、NPU搭載のKirin 970による優れた性能も見逃せない。中でも、NPUを活用したカメラのシーン選択機能や、最適化された翻訳アプリなどは、軽快に利用できると感じるし、長期間利用時の最適化機能など、NPUによる効果は十分な魅力といってよいだろう。

ただ、現時点でのNPUを活用した機能は、他のスマートフォンでも搭載されているものが多く、それほど目新しいと感じないのも事実。それらと比べても処理が速いなどの優位点はあるが、今のところはまだNPUの恩恵を感じ取れるシーンは少ない。ファーウェイは、サードパーティのアプリでもNPUを活用できるようにSDKを公開するなどしているが、今後はNPUを活用する機能をどこまで充実させられるかが課題となりそうだ。