共働きの家庭が増えるに従って、家事をする男性も増えているといいます。一方で、SNS上などでは「ワンオペ育児」「結局、妻が家事担当」など、パートナーとの家事分担に悩む投稿が目立ちます。「家庭運営」というプロジェクトを家族みんなで運営するコツはあるのでしょうか。その答えを求め、パナソニック主催の家事シェアセミナーに参加しました。

パナソニック主催の家事シェアセミナーから

夫に人気の家事はゴミ捨て

今回のセミナーは11月22日の「いい夫婦の日」にちなんで開催されました。夫婦が共同で家事や育児を担う、家事シェアの支援活動などを行うNPO法人「tadaima」の代表理事三木智有氏をゲストに迎えて、家事シェアについて話を進めていきます。

NPO法人tadaimaの代表理事 三木智有氏

パナソニックは、30代・40代夫婦のリアルな「今」を知るため、2,700名以上対象としたライフスタイル調査を実施しています。それによれば、共働き夫婦のうち64.1%が、家事の分担についてケンカをしたことがあるんですって。理由の1つが、妻の平日の家事分担比率が高いこと。

「ゴミ出しは昔から男性に人気の家事です。以前に比べて育児に対して積極的な男性は増えているものの、家事へ参加はなかなか難しいようです」と三木さん。

男性側も、家事に参加したいという気持ちはあるようです。でも、やり方が分からなかったり、帰宅が遅くて家事をしたくても時間が確保できないという悩みも。

家事の中でも時間を取られるものが、「片づけ」「掃除」「洗濯」。これらにかける時間を短縮できれば、そのぶん子どもと過ごす時間や自分の時間に使うことができるのに、なかなかうまくいかないのが現状です。

三木さんは「家事のイライラの原因は、2種類あります」といいます。負荷の原因を分析すると、1つめは負担、2つめは不満。

「片づけるのが面倒、毎日食事を作るのが大変といった労働による負担は、仕組み作りで対処できます。例えば、家事代行サービスの利用や、便利な家電を使うといった方法が考えられます。 一方、不満に対しては、自分ばかりがやっているという不公平感を解消すること。パートナーとのコミュニケーションが大切です」(三木さん)

平日は妻の家事負担が大きいといっても、妻側も、家事をすべて夫に代わってもらいたいわけではないのです。

家事分担に関する調査によれば、妻が理想とする家事分担は、夫3割強、妻が6割強。しかし、現実の家事分担は夫が2割、妻が8割

「妻側は今よりも1割ほど、夫に家事をサポートしてほしいと思っていることが分かります。この1割が難しいなら、家電と家事をシェアしてみませんか」と三木さんは続けます。

マイナスをゼロにする家事と、プラスをクリエイトする家事

家事をもう少し分析していくと、片づけ、洗濯、掃除など、マイナスの状態をゼロに戻す家事と、模様替えやホームパーティーなど、プラスにクリエイトする家事に分かれます。「家族で気を配りながら、マイナスを増やさないようにすることで、手間を減らすことができます」(三木さん)