日本生産性本部はこのほど、「日本の労働生産性の動向 2017年版」を発表した。

時間当たり・1人当たり名目労働生産性が過去最高に

労働生産性とは、従業員1人当たりで生み出す成果、あるいは労働者が1時間で生み出す成果を指標化したもの。2016年度における日本の時間当たり名目労働生産性(就業1時間当たり付加価値額)は前年度比45円増の4,828円と、過去最高を更新。リーマン・ショックに伴い2008年度には4,489円、東日本大震災が発生した2011年度には4,474円に落ち込んだものの、近年は増加傾向にある。

2016年度の時間当たり実質労働生産性上昇率は+1.1%。前年度より0.2ポイント減少したが、上昇率はプラスを維持した。正社員の労働時間が減少に転じたことなどが影響し、就業者1人当たり上昇率(+0.3%)と比べて0.8ポイント高くなっている。

日本の時間当たり名目労働生産性

2016年度の日本の1人当たり名目労働生産性(就業者1人当たり付加価値額)は同0.8万円増の830.3万円。5年連続で上昇し、過去最高を更新した。ただし、2016年12月に実施された国民経済計算(SNA)体系の基準改定に伴い、日本のGDPは旧基準より30兆円前後増加しているため、「労働生産性水準に留意する必要がある」(同法人)という。

2016年度の1人当たり実質労働生産性上昇率は+0.3%。前年度より0.5ポイント縮小したものの、2年連続のプラスとなった。

日本の労働生産性は、OECD加盟35カ国中18位(『労働生産性の国際比較』日本生産性本部、2016年)で加盟国平均を下回っており、低迷が続いている。同法人では、最新の国際比較を12月下旬に取りまとめ、公表する予定。