日本労働組合総連合会(略称:連合)は11月16日、「ハラスメントと暴力に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は、インターネットリサーチにより実施し、全国の18歳~69歳の有職男女1000名の有効サンプルを集計したもの。

全回答者に、職場で「受けた」または「見聞きした」ハラスメントを聞いたところ、「『パワハラ』などの職場のいじめ・嫌がらせ」が45.0%、「セクシュアルハラスメント」が41.4%という結果が出た。

また、「ジェンダーハラスメント」が25.4%、「マタニティハラスメント」が21.4%、「ケアハラスメント」が19.8%、「SOGIハラスメント」が13.7%となり、パワハラ やセクハラ以外のハラスメントも職場に存在していることが明らかになった。

「あてはまるものはない」という回答は43.8%であることから、いずれかのハラスメントを受けた・見聞きした人の割合を逆算すると、56.2%と半数を超えている。

職場で受けた・見聞きしたことがあるハラスメント 資料:連合

各ハラスメントについて、「受けた」「見聞きした」ことがある人に、そのハラスメントは誰から受けていたかを聞いたところ、すべてのハラスメントで「上司や先輩」という回答が最も多く、「パワハラ」などの職場のいじめ・嫌がらせは69.8%、ジェンダーハラスメントは60.2%、セクシュアルハラスメントは58.5%となった。

ハラスメントを受けた人 資料:連合

同調査では、職場でのハラスメントに加え、配偶者や交際相手などからの暴力についても注目が集まっているとして、婚姻経験者(事実婚含む)(589名)に、配偶者から暴力を受けた経験についても聞いている。

その結果、「心理的攻撃」は24.4%、「身体的暴力」は14.8%、「経済的圧迫」は13.9%、「性的強要」は9.8%という回答が得られ、いずれかの暴力を受けたことがある人は31.6%と、配偶者から暴力を受けた経験がある人は約3人に1人ということが明らかになった。

男女別では、配偶者から暴力を受けた経験がある女性が37.1%、男性が26.1%と、男性でも4人に1人が配偶者から暴力を受けていることがわかった。30代男性においては38.1%と4割近くに上るという。

これまでに配偶者から受けたことがある暴力 資料:連合