週刊野球太郎
    


 この時期の恒例行事であるゴールデン・クラブ賞の受賞者が発表された。

 「守備の表彰」であるこの賞は、首位打者や最多勝のように単純に数値化できないこともあり、スポーツ紙やテレビ、ラジオなどの記者による投票で決められる。つまり守備のうまさは大前提ながら、さらにアピールする何かがあった選手に票が集まりやすい。

 というわけで、全ポジションの中から圧勝、もしくは僅差だったポジションを見てみよう。

 なお有効投票数はセ・リーグが259票、パ・リーグが249票となっている。

◎守備範囲の広さは他の追随を許さない菊池

 両リーグ合わせた18ポジションの中で、最多得票数となったのがセ・リーグ二塁手部門の菊池涼介(広島)。246票を集めた。

 圧倒的な守備範囲の広さで、一、二塁間に飛んだ当たりを「ライト前ヒット」から「セカンドゴロ」へと変えるマジックを毎試合のように見せてくれる菊池は、まさに「守備で客を呼べる選手」。それを可能にしているのが、肩や脚力などの身体能力の高さ、そしてポジショニングのうまさだ。

 ただ、今季はWBCに参加した影響が出たのか、打撃ではリーグ最多安打を記録した昨季ほどの好成績を残せなかった。それでも、成績を落とした翌年は復活してくるのが菊池。来季は、さらなるパワーアップに期待したい。

◎打撃面でもキャリアハイの数字を残した丸&秋山

 次いで得票数多かったのが、丸佳浩(広島)、秋山翔吾(西武)の両中堅手だ。ともに232票を集めたが、前述したように、パ・リーグの方が、有効票数が少ないので得票率で見れば秋山が上となる。

 両選手ともチームを救うダイビングキャッチをたびたび披露するなど、球際の強さに秀でた外野手だが、今季は打撃でも上積みを見せた。丸が23本塁打、92打点。秋山が25本塁打、89打点で、ともにキャリアハイの成績。守備に関する賞とはいえ、この好イメージも大量得票につながったのだろう。


◎大島は、故障がなければ違った結果も!?

 一方、もっとも僅差だったのはセ・リーグの外野手部門だ。3位まで受賞対象となるこの部門は、前述の丸が232票、2位の鈴木誠也(広島)が141票、3位の桑原将志(DeNA)が111票。次点の大島洋平(中日)は98票で、13票差で受賞を逃した。大島は8月31日のDeNA戦で、死球により右足腓骨骨折。9月以降、試合に出場できなかった。もしシーズンを完走できていたなら3位以内に食い込んだ可能性もある。


◎コンバート先でも受賞の鳥谷

 セ・リーグの三塁手部門も受賞者の鳥谷敬(阪神)が113票、次点の宮崎敏郎(DeNA)が92票と21票差の接戦だった。失策数を見ると、両者ともに9失策。シーズンを通してホットコーナーを守り、1ケタ台の失策なら上々だが、全試合出場を果たした鳥谷に対して、脇腹痛によるリタイアなどもあった宮﨑は129試合の出場にとどまった。

 加えて、過去に遊撃手部門で4度受賞している鳥谷が、昨季の不振をはねのけ新たなポジションで奮闘している姿も記者の共感を呼んだのではないか。今季、首位打者にも輝き大ブレイクを果たした宮崎だったが、ゴールデン・クラブ賞では鳥谷に貫禄負けという結果に終わった。


文=藤山剣(ふじやま・けん)