Microsoftは15日(現地時間)、Microsoft Azure開発者及びデータサイエンティスト向けにAI(人工知能)ツールと提供リソースを拡大したことを公式ブログで明らかにした。今回の発表内容は「Azure ML(Machine Learning)のアップデート」「Azure Databricksプレビュー版の発表」「VS(Visual Studio) Tools for AIの発表」の3つに分類される。

Microsoft Azure上でAIモデルの開発を簡素化し、クラウドアプリケーションに展開する機能を提供するAzure MLだが、新たにAzure IoT Edge経由でコンテナの展開やIoTデバイスへのアクセスを容易にするツールキットを追加した。この他にもMatplotlibとの統合やMMLSparkのアップデートなど多くの改善も含んでいる。なお、Azure VMを西ヨーロッパ及び東南アジアリージョンで利用可能になった。

Azure IoT Edgeを使用してIoTデバイスにAIモデルを展開する機能を提供する(画像はすべて公式ブログより抜粋)。

Azure Databricksは、Apache Sparkベースの分析プラットフォーム。Microsoft Azure上のストレージやSQLデータウェアハウスなど各リソースとの連携や最適化を目指して実装した。Microsoftは開発者やデータアナリスト、データエンジニア、ビジネスアナリストを対象にしたサービスと説明している。

Microsoft Azure上でネイティブに動作するAzure Databricks。現時点ではプレビュー版が利用可能

VS Tools for AIは、統合開発環境にMicrosoft Cognitive Tool Kit(CNTK)やGooleの TensorFlow、Theano、Keras、Caffe2などのオープンアーキテクチャを使用してAI開発を行う拡張ツール。サンプルギャラリーの閲覧やサンプルコードのダウンロード、Pythonスクリプトの直接編集やデバッグが可能になる。また、Azure Batch AIサービスとも統合しており、Azureバッチクラスタにジョブを投げるなど一連の操作がVS内から実行可能。なお、GPU利用率を確認するリソース監視機能も備える。

MicrosoftはVS Tools for AIを使用することで、高度なディープニューラルネットワークモデルを開発し、Azure MLを通じて本番環境に展開できると説明する

Microsoft AIプラットフォームの概要

阿久津良和(Cactus)