IIJはセキュリティ事業にも四半世紀近くの歴史

最後にIIJのセキュリティ事業についての紹介が行われた。IIJは1992年に日本初の商用インターネットサービス企業として設立されたが、1994年には国内初の「ファイアウォールサービス」を提供し、セキュリティ企業としての側面も持ち始めた。以来、約24年の歴史をかさねる。2016年には新ブランド「wizSafe」としてセキュリティ事業を強化し、人材面、システム面、体制・設備面の強化を行ってきたという。

人材面については、IIJ社内での人材育成に加え、社外活動を通じてセキュリティ人材の育成に貢献。システム面については、ISPであるからこそ得られる莫大なデータに加え、内外の研究結果などを加えビッグデータを解析することで情報分析基盤を構築し、最新のセキュリティインテリジェンスを生成しているという。

ISPならではの莫大なログデータなどからビッグデータによる分析を行っているという。AIの併用などでさらに解析制度の向上が期待できる分野だろう

体制・設備面では、IIJセキュリティオペレーションセンター(SOC)の設立により、独立したネットワーク環境で集中して監視・分析業務にあたる環境を確保。IIJ SOCを中心に24時間・365日のセキュリティ支援体制が構築できたとした。

齋藤氏の念願だったというセキュリティセンターのセキュリティラボ(非公開)。最高レベルのセキュリティが施されているとのこと

IIJといえば日本のインターネット網の重要な基幹ネットワークを支えるISPであり、高い技術力で知られる企業だが、セキュリティ面においても専業のセキュリティ企業と比肩する知見と環境があることが改めて確認できる講演だった。ユーザーは日々登場する新たな脅威に晒されているわけだが、こうしたバックボーンでの取り組みがあって、トラブルが最小限に抑えられていること、今後どのようなことに気をつけていくべきかがわかっただけでも、大きな収穫と言えるだろう。

IIJ Technical WEEK 2017は、現地で受講できない人にはインターネットでのストリーミング配信も行われている。インターネットの最先端でどのような技術が使われ、どのような取り組みが行われているかを知りたい人は、ぜひ視聴してみてはいかがだろうか。