半導体市場予測企業である米IC Insightsは、2017年の非IC(オプトエレクトロニクス、センサ/アクチュエータ、ディスクリート:O-S-D)市場の成長率が、前年比10.5%増の750億ドル規模に達するとの見通しを明らかにした。ちなみに2018年については同7.4%増の805億ドル規模と同社では予測している。

この市場成長の要因として、IoTの拡大、インテリジェントな組み込み制御レベルの向上、コモディティ化したディスクリート半導体の在庫積み増しなどが進んだことが挙げられるとIC Insightsでは説明している。

市場セグメント別に見ると、2017年は1つの製品カテゴリ以外はすべてプラス成長を達成した。その1つは照明用LEDで、こちらについては価格低下が続いたことから、成長率はゼロのフラットとなっている。

また、2017年は2014年以降で初となる、O-S-Dいずれの市場ともにプラス成長見込みで、すべてのセグメントが過去最高の売上高を記録するのは2011年以来のこととなるという。さらに、10.5%という成長率は、リーマンショックからの急激な回復を果たした2010年以降でもっとも高い値になる見込みだともIC Insightsでは説明している。

図1 主要なO-S-D製品の最近4年間の販売成長率比較(2014年は青、2015年は赤、2016年は緑、2017年(予測値)は紫の棒グラフ)。左から照明デバイス(LED)、CMOSイメージセンサ、加速度/方位センサ、パワートランジスタ (出所:IC Insighs)

オプトエレクトロニクス - イメージセンサは22%の高成長

製品カテゴリを詳細に見てみると、オプトエレクトロニクス分野は、2016年に前年比3.6%減となった後、2017年は回復し、同8.1%増の367億ドルと過去最高を記録する見込みだという。照用用LEDは上述のとおり、価格低下に悩まされているが、それ以外は極めて好調といえる。中でもCMOSイメージセンサは同22%増と非常に高く、スマートフォンや自動車への複数搭載がけん引役になっているという。このほかの光ネットワークレーザー送信デバイスが同15%増、赤外線デバイスも同14%増と高い成長率を記録する見通しだ。

センサ - IoTと運転支援用途拡大で売り上げ拡大

センサやアクチュエータの記録的な売上高の伸びは、IoTの拡大と車の自動運転支援機能なども含めた幅広いシステムでの自動制御の進展が支えている。売り上げの規模は、同17.5%増の139億ドルと予測され、2010年以降の同セグメントでもっとも高い成長を遂げることとなる。またMEMSセンサおよびアクチュエータの売上高も同18.5%増の116億ドルで、過去最高となることが予想されている。製品セグメントの成長率トップ3は、アクチュエータが同20%、MEMSマイクロホンチップが同18%同、加速度/方位センサが同17%増となっている。

ディスクリート - 待望の2桁成長で240億ドル超え

コモディティ化が進むディスクリート半導体市場も、2017年は同10.3%増の241億ドルとなり、2011年に記録した過去最高額(234億ドル)を突破する見通しだ。ディスクリート半導体市場におけるパワートランジスタの売り上げは、市場全体の半分以上を占めているが、2015年にマイナス成長に転落。以降、徐々に回復が進んでおり、同社では2017年の規模を同9.0%増の140億ドルとしており、この金額はディスクリート半導体市場の過去最高値になるとしている。