住友商事と大同特殊鋼は、中国における高級工具鋼流通加工事業の拡大を目的として、江蘇省無錫市に無錫頂鋒日嘉金属制品を設立する事に合意したと発表した。出資比率は住友商事が81% 、大同特殊鋼が19% となる。

工具鋼は、工業製品部品の製造に用いられる金型の素材であり、中国の金型生産は継続的な成長が見込まれており、2015年で2,000億元(約3.3兆円)であった生産高が、2020年には2,500億元(約4.1兆円)に達するといわれている。

金型の生産拡大に伴い、工具鋼の需要も増大しており、中でも高級工具鋼は、高い強度や耐熱性が求められる自動車部品用の鍛造用金型や鋳造用金型、高光沢と意匠性が求められる高級樹脂用金型といった金型向けに今後需要拡大が見込まれているという。

両社は過去20年以上にわたり、華東・華南地区の工具鋼流通加工事業において協業しており、中国における大同特殊鋼製高級工具鋼の拡販を一緒に手掛けてきた。今回設立される無錫頂鋒日嘉は、金型メーカーの前加工対応・短納期といった高度化する要請に応えるため、金型メーカーの集積地の1つである江蘇省無錫市に新たに設立され、加工能力・在庫スペースを拡充させ、2018年半ばをめどに商業生産・販売を開始する予定だという。なお、会社そのものは2016年委住友商事が先行して設立済みとなっている。