俳優の矢野浩二が、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『さくらの親子丼』(毎週土曜23:40~)で、コミュニケーション下手で絵が上手な男という難役に挑んでいる。

『さくらの親子丼』に出演する矢野浩二=東海テレビ提供

主演の真矢ミキ演じるシングルマザーの九十九さくらが、東京・大田区にある古本屋の奥で、行き場をなくした人々に無料で親子丼を振る舞うこと通じて、さまざまな人間模様を描いていく同作。そのたまりばにたむろする若者たちにいるのが、矢野が演じる「玄さん」こと玉置玄だ。

矢野は、2001年に中国ドラマに出演後、中国を拠点として数多くの映像作品等に出演。中国版ツイッターのフォロワー数は151万人を数え、矢野が出演する日本のドラマを、中国の人々が注目するという現象も起きている。日本でコンビニに買い物しに行くと、店員の中国人から「えっ!! 浩二、何してんの?」と驚かれることもあるという。

中国では人気バラエティ番組のMCもしていた矢野は、今作の撮影現場でも持ち前の話術でキャスト、スタッフを明るく盛り上げているが、演じる役は普段の性格から一転、言葉少なに、時々メッセージ性のあるセリフを話すのみというキャラクターだ。矢野は「こういった役は初めてで、言葉を発さずに特徴を出す部分が難しいと思います」と苦労を語りながら、「玄さんはドラマにおいて、ある意味、確実にヒットを打たなくてはいけない重要なピンチヒッター的役柄だと思っています」と自負を語る。

また、「現場で真矢さんのお芝居を見て、ひと言、ひと言のセリフを聞くと、感極まってうるうるしちゃうんです。でも、玄さんは感情をあまり表に出さない人なので、その気持ちを断ち切っている。そういう部分は非常にやりづらい部分はありますね(笑)」と打ち明ける矢野。真矢の印象については「皆さんに対して公平に温かく見守っていただいてるとても素敵な存在の方です。真矢さんとは2度目の共演ですが、僕みたいな人間にもとても気さくに話しかけていただいています」と感謝していた。

あらためて、今作については「最近の日本のドラマにはないスタイルの物語になっていると思います」と印象をコメント。「回を重ねるにあたり、どんどん"さくらさんワールド"に溶け込んでいただけたらと思いますし、さくらさんが発するメッセージ、僕らも含め、みんなそれぞれにメッセージ性があるので、言葉のひとつひとつを受け止めて何かの励みにしてもらい、明日への活力にしていただけたらと思っています」と呼びかけた。