日本のスマートフォンゲームメーカーといえば、「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のガンホーや「モンスターストライク(モンスト)」のミクシィが最初に思い浮かぶかもしれない。あるいは、既存IPをフルに活用するスクエア・エニックスやバンダイナムコゲームスという人もいるだろう。

これらの企業は名前の知られた会社。一方この記事で紹介するトランスリミットはあまり知られていない、社員数わずか20名の会社だ。ところが、パズドラが2012年のリリースから足かけ4年の2016年11月に全世界6000万ダウンロードを記録したのに対し、トランスリミットが制作したゲームは2タイトルながら、全世界5000万ダウンロードを3年あまりで記録している。

20名の会社がなぜ世界に通用したのか。トランスリミット 代表取締役の高場 大樹氏に話を聞いた。

トランスリミット 代表取締役 高場 大樹氏

どの国でも使えるUI/UXを意識

トランスリミットがこれまで提供したゲームアプリは「Brain Wars」と「Brain Dots」の2タイトル。2014年はBrain Wars、2015年はBrainDotsが「Google Play Best of Games 2014、2015」と「App Store Best of 2014、2015」をそれぞれ受賞している。この会社の特筆すべきポイントは、前述の5000万ダウンロードのうち、Brain Warsは95%、Brain Dotsは97%が海外ユーザーによるダウンロードという点だ。

彼らは何も、日本市場を"捨てて"いるわけではない。むしろ、「日本とアメリカの収益が2/3を占めており、それ以外の国・地域は収益性が低い」(高場氏)。例えばバンダイナムコゲームスのネットワークコンテンツ売上は、2017年の見込みで日本が75%、海外が25%の売上比率だ。

バンダイナムコゲームスも順調にスマホゲームの売上を拡大。米国では「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」がGoogle PlayでSales Ranking 1位を獲得

もちろん、日本に強固な基盤があるからこその比率とも言えるが、ドラゴンボールのスマホアプリがUSのGoogle Playでダウンロードランキング1位となるなど拡大できる下地も持っており、キャラクターIPを持っていないトランスリミットの特殊性が伺える。

高場氏は両アプリが成功した理由を「デザインやルールをシンプルにして、誰にでも好かれるように製作したこと」だと話す。

「はじめから日本はどうでもいいと考えてアプリを開発したんです。日本語にとらわれず、どの国でもUI/UXでユーザーが悩むことなく、文化や知識に依存しないゲーム性を意識しています。色使いやアニメーション、サウンドは、文字がわからなくても世界で似たような感性で受け止められる。自分たちは20名の会社。アプリを絞ってコンパクトに、コンセプトを重視して戦うというのがうまく行った理由だと思います」(高場氏)