三菱マテリアルの加工事業カンパニーは、中国国内の切削加工ユーザーに対する技術サポート強化を目的に、中国天津市の「天津テクニカルセンタ」を移転し、設備を拡充の上、リニューアルオープンし、稼働を開始したと発表した。

天津テクニカルセンタの外観

中国政府は、製造業の高度化を目指した国家指針として、2015年5月に中国版インダストリー4.0「中国製造2025」を発表しており、同指針のもとで、今後も自動車産業をはじめとした製造業のさらなる成長が予想されている。

天津テクニカルセンタは2004年より稼働し、中国国内ユーザーに対して切削試験、切削工具の選定、教育研修といった各種サービスの提供を行ってきた。しかし、中国における製造業の高度化に伴い、従来にも増して高いレベルの技術サポートを中国国内ユーザーに対して提供することが必要となっていることから、今回の移転とともに同センタ内の設備を拡充し、CAM/CAE解析・シミュレーション、切削工具の利用技術の支援といったサービスを含めた切削工具の総合的なソリューションを提供していくこととした。

同センタでは、マシニングセンタやNC旋盤、各種測定器を常設しており、ユーザーのニーズに応じた加工方法の提案を行うとともに、ワーク形状およびユーザーが使用する工作機械を踏まえた切削加工のCAM/CAE解析・シミュレーションを行うことで、部品ごとの加工方法を提案する。また、加工条件を展開し、ユーザー立会いのもとで切削試験を実施することも可能だという。

同社は今回のリニューアルオープンにより、中国自動車メーカーをはじめとした高い技術力を持つユーザーのベストパートナーとなるべく、中国マーケットへのアプローチを強化していくとしている。