凸版印刷と愛媛大学、PLANT DATA、PwCあらた有限責任監査法人、協和、浅井農園、福井和郷の7者は10月18日、コンソーシアム(研究代表者:愛媛大学大学院農学研究科 准教授の高山弘太郎氏)を組成し、農林水産省の平成29年度委託プロジェクト研究(マスコットネーム「ai tomato(あいとまと)」)を同月中旬より本格的にスタートすると発表した。

研究の概要

研究の目的は「植物生育を正確に把握する技術」と「作業者の見える化技術」を組み合わせて、2021年度までに雇用労働時間の10%以上削減を目標としているほか、AI技術と連携した栽培・労務管理モデルの開発・実証を進め、同年度までにAIを活用した高精度栽培・労務管理システムのサービス化を目指す。

具体的には、太陽光植物工場において重要な3つのデータ群「植物生体情報」「環境情報」「栽培管理・労務情報」について新たな計測技術を開発するとともに、そのデータを用いたAIによる解析モデルを開発。

植物生体情報の計測は、愛媛大学 植物工場研究センター(センター長:仁科弘重氏)が開発したIoT・センシング・ロボット技術を活用する。

これにより、日単位の成育状態、光合成量、色づき計測など、経験や主観によらない生育状態を多元的に把握し、そのデータに基づき、栽培管理に必要な作業量を正確に予測することで、労務に合わせた生育の制御と作業の効率化を図るという。

また、作業の効率化に向けて、Bluetooth技術とネットワークカメラを用いた高精度労務管理システムを活用する。作業者の位置情報と映像を一元管理することにより、詳細な作業の見える化を図り、作業の単純化・平準化・最適配置を実現するとしている。

研究の中心となるのがAI技術となり、植物生育を含めた大量のデータを解析し、人間を超えるレベルで効率良く目的を達成するための最適シナリオを実証する。

各者の役割として、愛媛大学は全体統括、植物生体情報計測技術シーズの提供、凸版印刷は労務管理システム、収穫予測システムの開発、PLANT DATAはソフトウェア・UI開発、植物生体計測低コスト化、PwCあらた有限責任監査法人はルールベースモデルの構築、AI技術との連携の検討を担う。

さらに、協和は光合成蒸散リアルタイムモニタリングシステムの開発、浅井農園は植物生体計測による栽培、労務管理、栽培管理実証、福井和郷は収穫予測に基づいた栽培、労務管理、労務管理実証を行う。

各者の役割