デンソーとセントラルパークは10月18日、セントラルパークが運営する地下駐車場において、超音波ビーコンを利用した歩行者向けの駐車位置案内の実証試験を同20日から開始すると発表した。

歩行者ナビゲーションのイメージ

これは、地下駐車場内に設置した超音波ビーコンとスマートフォンのアプリを使い、画像および音声で駐車した位置までの経路を案内するほか、駐車場の空き状況を確認できる屋内位置情報システムの実証を行う。

カーナビゲーションをはじめとしたGPSによる位置測位は、電波が届かない屋内などでは利用できないため、地下街や地下鉄、大型ショッピングモールなどの屋内を正確に案内できるサービスの早期実用化が望まれているという。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時には、国内外から多くの人が東京を訪れることから、デンソーの屋内位置情報システムは、地下鉄の乗り換えなど屋内でのスムーズな移動の実現に貢献するとしている。

セントラルパーク駐車場は570台収容の自走式地下駐車場で、地下2階に地下鉄名城線が走行しているため東西に分かれた構造になっており、駐車した車を探すために迷う利用者のための改善方法を模索していたという。

今回、デンソーが開発した屋内位置情報システムは、超音波ビーコンを利用したスポット測位方式を用いた独自技術。カーナビゲーション開発で培った技術やコーナーソナーの技術を応用し、従来では実現が難しかった測位精度誤差1m以内を実現し、駐車場利用者の利便性向上に寄与するとしている。

両社は、この実証試験において、歩行者向けのナビゲーションに必要な位置精度の検証を実施するとともに、より使いやすいシステムを提供するため利用者の声を反映し、今後のサービス向上に役立てる考えだ。

また、セントラルパークでは、より多くの利用者にアプリをダウンロードしてもらうため、屋内位置情報システムを駐車場だけでなく地下街にも広げ、買い物のサービスや緊急時の避難誘導などに幅広く活用していく予定だ。